文在寅大統領と曺国法相をめぐる革新対保守の対立は、街頭での激しい示威活動によって収拾が付かない局面に発展する様相を呈してきた。
これは文在寅大統領が就任後進めてきた「積弊清算」という政治方針によって、国民の間の分裂が極限に達しようとしていることの証左でもある。
文在寅大統領は積弊の清算と称して、これまで保守政権が成し遂げた「漢江の奇蹟」を教科書から削除するなど、国民分断の政治を繰り広げてきた。しかも、国政の3権立法、行政、司法を全て掌握し、言論に対する関与を強め、さらには最後の関門である検察も改革することで、文在寅大統領に反抗できない体制を作り上げようとしている。
これに保守系が立ち上がったのが、10月3日韓国の開天節の日(檀君が古朝鮮を建国したとする日)の曺国辞職、文在寅政権糾弾を掲げたデモであり、これは文大統領の掲げる「積弊の清算」への抵抗でもあろう。
もともと、街頭における示威活動は進歩派が得意とする分野である。
しかし、3日の野党保守派の集会は、予想をはるかに超える規模で、韓国の主要各紙はいずれも驚きを持って報じている。