2019.10.16
# 立ち読み

老後2000万円不足時代、年齢別・超具体的な「節約術」教えます

老後を安心して生き抜くために
島澤 諭 プロフィール
 

40代は交際費の支出をぐっと我慢!

40代は、会社での地位も上がり、付き合いの支出も増える頃ですが、ここはぐっと我慢です。2000万円貯めるには、あと20年と、20代、30代よりも、条件がきつくなるわけですから。

40代は、食費を月2万円弱見直して380万円、外食を月9000円分やめて200万円、サプリなど健康食品30万円、光熱水道費は3割削減で165万円、家具の新調や雑貨を諦めて110万円、月3000円の洋服などを我慢して70万円、格安スマホなどへの更なる契約の見直しで、スマホ代265万円、旅行や習い事を年20万円控えれば380万円、月7000円お小遣いを減らし、飲み会に誘われても5回に3回断ることで、250万円削減可能です。これで2000万円用意できました。

50代は消費額の3割弱を節約しよう

50代は、一番ハードルが高い世代です。なんと言っても10年ほどで、2000万円貯めないといけないわけですから。でも、50代の総消費額は545万円です。この中から、残り10年で、2000万円貯めるには、消費レベルを半減しなければなりません。流石にこれは限界でしょう。

そもそも、なぜ2000万円捻出しなければならなかったかと言いますと、老後の生活資金を調達するためでした。老後ライフを満喫するために、必要以上に今の生活を切り詰めるのは、本末転倒ですよね。そこで、未来の自分にも少々我慢してもらうことで、この難局を乗り切ることにしましょう。

なんと、高齢者は、教養娯楽費に年間23万円、亡くなるまでに800万円強、交際費に年間31万円、亡くなるまでに1100万円も使っています!食費とほぼ同額です。

幸い、終活や断捨離という言葉が流行っているのに便乗して、人付き合いも断捨離していくことをお勧め致します。そうすることで、交際費を半分にして、月1万円強、年間15万円削減できれば、亡くなるまでの間に550万円、老後の生活資金を節約できます。

さらに、年1回の旅行を諦めるか、宿泊先のグレードを落とすことで、年間6万円、200万円捻出できます。ということは、現役時代の節約を750万円しなくても良くなります。

50代が、1250万円を貯めるのは、消費額の3割弱に相当しますから、それでもやはり厳しいです。でも、頑張らなければなりません。食費を、ランチやコンビニ弁当をやめて、手作りのお弁当を持参するなどして、一日550円弱、月1・6万円節約して全体的に3割減らせれば、190万円削減できます。さらに、外食をぐっと控えて月1・2万円支出を減らせれば140万円節約できます。

外食をぐっと控えよう(photo by iStock)

この頃には、次第に、子供たちも巣立ったり、終活に向けて大きな家に住む必要もなくなってきます。そこで、自宅を売却したり、引っ越したりして、家賃に相当する住居費を月8000円削減できれば、100万円節約できます。引っ越しに合わせて、光熱水道費を月7000円削減できれば、80万円の節約になります。

また、住居をダウンサイジングして、終活に向けて準備を始めれば、家具や雑貨も新調しなくてもよくなりますし、住居内の清掃などにかかるお金も減らせますので、130万円節約。

洋服や靴、下着などへの出費を月3000円抑えて、35万円の節約になります。薬やサプリメントへの支出を抑えて20万円の節約。携帯料金4割削減前提の上で、さらに格安スマホにしたりして、月1・2万円弱、年間14万円減らせれば、スマホ代140万円削減できます。旅行を控えたり、趣味への支出を抑えたりして、月1・4万円出費を切り詰めれば、170万円削減。

そして、お小遣いを半減させ、飲み会に誘われても5回に4回は断ったりして、月2・2万円減らせれば250万円の削減になります。これで合計、1250万円強の節約ですから、無事、ミッションコンプリートです。

田園回帰のすすめ

これまでは、消費支出の切り詰めや、働ける間は働いておくなど、豊かな老後を送るのとは真逆のお話でした。ホント、世知辛いですよね。実は、もう一つ、取って置きの節約手段があります。

みなさんは、田園回帰という言葉を聞いたことがあるでしょうか?田園回帰とは、文字通り、「都市部から過疎地域等の農山漁村へ移住しようとする動き」で、若者を中心に盛んになっているといわれています。実は、こうした田園回帰の流れは、若者だけでなく高齢者にとっても有効なのです。

日本の地域の魅力は、道路や水道、電気ガスなどの基礎的なインフラが整備されていることで、空き家も多く、しばしばその空き家には田畑がついてきます。確かに、都市部のように所得の高い仕事は少ないかもしれません。でも、住まいや食料が安く手に入るので、低所得者も安心して暮らせます

つまり、貰える年金や貯金残高が少々低くても、田畑を耕しながら生活することで、食費の節約もできますし、適度に体を動かすことにもなりますので、健康寿命の延伸にもつながります。もっとも、高齢者にとっては、病院や診療所、介護施設など医療・福祉の環境が整っていることが必須ですけれども。確かに、年金だけでは、「老後の生活費が2000万円も不足する」かもしれません。

節約も健康寿命延伸も叶える(photo by iStock)

しかし、世の中お金だけが魅力ではありません。実際、わたしの所属する研究所では、人々が、地域の魅力を測り、移住するしないを判断する際に、なにを評価指標として考えているのかについて、AIの力を借りて117の指標によって分析しました。(※3)

その結果、わたしたちが、地域の魅力を評価する際には、金銭的魅力は4割程度でしかありませんでした。生活を送るうえで重視しているのは、お金以外の魅力なのです。

もちろん、金銭的な魅力は都市部ほど高いのですが。ですから、生活を送るうえで、金銭的な魅力に重きを置く方は2000万円以上貯めて都市部に居住お金ではない何かを評価する方は、年金プラス農村部での恵みを得つつ生活するというライフスタイルも、年金不足を補ううえでは、有効な方法でしょう。

そのほか、毎日のお金の出入りを記録して、無駄な出費を定期的に洗い出したり、クレジットカードのポイントを有効活用するのもありますね。あるいは、新製品に飛びつかないで、類似品がいろいろ出揃ったところで購入するとか、極力図書館の新聞や書物を利用することも、節約に貢献するでしょう。

最後は、なんだか、精神論的な方向に話がそれた感もありますが、国が年金制度の見直しを行わない限り、今後も年金は減る一方ですから、自分で防衛するしかありません

豊かな老後は人それぞれです。若いうちから、消費を切り詰めつつ必要なだけお金を貯めるなり、生涯現役で働き続け、足りない年金の足しにするのもよし、農村部に引っ越すなりして、自分だけの豊かな老後を実践するのもよいでしょう。年金が老後のすべての面倒を見るのは無理なのですから。

(※3)詳しくは公益財団法人中部圏社会経済研究所「地域力指標の開発と全自治体の地域力の評価について(全国編)」を参照してください。

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