日本中の少年たちの心を鷲掴みにした「テレ東の最高視聴率ドラマ」

スカートめくりでみんな喜んでいた…
週刊現代 プロフィール

久保田 とんでもないです。それに実は、僕は丹野さんからの執筆オファーを3回断っているんです。当時、別の仕事で忙しかったというのもありますが、『ハレンチ学園』をドラマとして成立させる自信がなかった。

児島 でも、ドラマの後半期では、かなり久保田先生が書かれてますよね。

久保田 自信はなかったんですけど、一本書いたら好評でね。気づいたら何本も書いていました。

岩佐 なるほど。でも、『ハレンチ学園』は、『ジャンプ』作品で初の実写化ですよね。漫画をドラマで実写化するって、当時はまだ珍しかったと思うんですが。

児島 言われてみればその通りですね。話数が増えていく中で、ギャグやエッチなシーンが単調になって、丹野さんが画作りに行き詰まられたことがありました。

それで、ドラマの後半期からは、同じく漫画を実写化したドラマ『おくさまは18歳』('70~'71年)の制作チームが合流して、協力してくれるようになりました。

キャラクターの外見だけじゃなく、ストーリーの展開自体が非常に漫画的なので、久保田先生としても、ドラマに仕上げるのは相当大変だったのではありませんか。

久保田 ええ、とても難しかったです。基本的には「先生vs.生徒」の対立構図を展開するのですが、コスプレしている分、先生側にリアリティーをもたせられない。どのようにドラマを作りだせばいいか、ずいぶん苦労しました。

でも、ドラマと映画版の脚本を書いた鴨井達比古さんのアドバイスに助けられた。「ハレンチ学園は、見かけに囚われてしまっては絶対にだめだ。いくら奇抜な格好をしていようが、彼らは教育者だ。そこをしっかり描けば、ドラマになるはずだ」と言われたんです。

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「モーレツごっこ」が大流行

岩佐 『ハレンチ学園』は、タイトルやワンシーンを切り取ると一見、過激に見えるんだけど、一話を通してみると、起承転結が練られていて面白かった。特に、最終話は大好きですね。

PTAや教育委員会を模した「ハレンチをたゝきつぶす会」が、スカートめくりを防止しようと女子生徒にズボンを強要。さらに校名を「聖マジメ学園」に改名しようとした。

そんな大人たちに、仲の悪かった先生と生徒が手を組んで仕返しする姿を見て、スカッとしました。「子供だからって、偉い人の言うことを黙って聞き続ける必要はないよね」って。

久保田 そういってもらえると嬉しいです。子供たちへのサービス精神を一番大切にしていましたから。

 

岩佐 でも実際に、子供には刺激的なシーンも多いですし、当時PTAからかなり叩かれてましたよね。そういった世間の声は、現場では意識されていたんですか。

児島 なんとなく知ってはいましたが、現場では完全に無視していましたし、演技の面で、私が萎縮してしまうようなこともありませんでした。

久保田 僕らもそういった批判に擦り寄るような作り方は一切しませんでした。PTAのために作ってるわけじゃない。子供たちに必要なエンターテイメントなんだ、という信念を強く持っていましたから。

でも、毎週木曜日の東京12チャンネルの局内では、『ハレンチ学園』が始まる19時半になったとたん、猛烈な勢いで苦情の電話が殺到していましたけどね。

岩佐 ですが、PTAが大騒ぎする一方で、子供たちの間では、女の子のスカートをめくる「モーレツごっこ」が大流行しましたね。当時幼稚園生だった僕も、流行に乗じて好きな女の子のスカートをめくりました(笑)。大人がダメと言えば言うほど、子供は影響を受けやすくなってしまうものです。