9月23日、ニューヨークで開催された国連気候行動サミットで、世界中から注目された16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんのスピーチ。感動や共感の声だけでなく、「大人に操られている」「子供らしくない」といった批判、中傷などさまざまな声も持ち上がった。11日に発表となるノーベル平和賞の候補として、マララ・ユフザイさんを抜き史上最年少で受賞するのではないかと注目が集まっている。

実際、スウェーデン現地では、グレタさんはどう捉えられているのか。また、環境問題は現在どう捉えられているのか。

現在、スウェーデンの大学院に通い、本誌で緊急避妊薬の問題などを訴え続ける福田和子さんが、グレタさんがひとりで始めたことをきっかけに広がった現地の環境問題ストライキに参加。現地の声を拾いながら、そこで感じた想いをレポートしてくれた。

グレタさんから始まった
現地のストライキに参加してみた

広場を埋める、人、人、人。土砂降りの雨の中、まだベビーカーに乗る赤ちゃんから、杖をつくお年寄りまで、数え切れないほどの人が集まってくる。

9月27日金曜日、私はスウェーデンで2番目に大きい都市、ヨーテボリ市のグローバル・クライメート・ストライキに参加した。このストライキは、もはや知らない人はいないであろうスウェーデン出身のグレタ・トゥンベリさんが昨年8月、たったひとりではじめた「気候のための金曜学校ストライキ」にはじまっている。

彼女は毎週金曜日、地球温暖化への対策を求めスウェーデンの国会議事堂前に座り込んだ。およそ1年後、彼女の活動は「#FridaysforFuture」として世界中に知れ渡ることになった。そして今年3月には、125カ国で10万人以上が参加する本格的な世界規模の「未来のための世界気候ストライキ」にまで拡大した。さらに、9月23日に国連で行われた温暖化対策サミットでの鬼気迫るスピーチは、賛否を含め世界中で注目されたのだ。

スウェーデン出身・16歳のグレタ・トゥーンベリさん。このとき行われた彼女の国連でのスピーチは必見だ Photo by Getty Images

私の住むヨーテボリ市で行われたストライキは、グレタさんのスピーチから4日後の金曜日に開催された。グレタさんの出身国であるスウェーデンでは、一体どんなストライキが行われているのだろう。私は即座に参加を決めた。

土砂降りの中、1万人もの老若男女が集結!

その日は朝から土砂降りで、こんな天気で人は集まるのだろうかと思うほどだった。デモ行進が始まる午後3時に集合場所に着いてみれば、心配をよそに、雨にも負けず広場に溢れるほど多くの人が自作のプラカードを掲げながら集まっていた。主催者の発表によればその日の参加者は1万人、当初の予想を遥かに超えた人数だったという。

会場にて。土砂降りの雨にも関わらず参加者は1万人に達した 撮影/福田和子

会場には老若男女問わず多くの人が参加していた。まだ幼稚園生くらいの小さな子供まで、自分なりにプラカードを作って、自分の言葉で声を挙げる姿もあった。

中でも、私の目に焼き付いたのは、数々の「気候ではなくシステムを変える」というプラカードだ。これはグレタさんも掲げる「Climate Justice:クライメート・ジャスティス(気候正義、気候の公平性)」の考えに基づいたもので、環境問題を単なる気候の問題とのみ捉えるのではなく、社会的、倫理的、政治的な課題として問題提起する考え方だ。

地球環境問題は、先進国に暮らす少数の「強者」が地球に大きな負担を掛けてきたことで生じているにも関わらず、自然災害などの影響で最も苦しむのは多数の「弱者」だ。さらに、このままでは世代間でも大きな不公平が生じる。そこにおける公平さや構造そのものに疑問を投げかけているのが、クライメート・ジャスティスの考え方だ。そういったことから、人々はシステムから変える必要性を訴えている。

会場でいくつも見かけた「気候ではなくシステムを変える」というプラカード 撮影/福田和子