たった1回転んだだけで「死亡」…高齢者転倒のヤバすぎる実態

転んで3ヵ月であの世に…
週刊現代 プロフィール

2 座布団、電気コード、急に飛び出すペット住み慣れた家の中こそ危ない

「60歳を超えると、自宅のわずかな段差でも転んでしまうようになります。絨毯のめくれやカーペットの縁ですら危ない。

服を着替える際、ズボンやスカートを穿くために片脚になっただけでも転んでしまう。なんでもない動作ひとつで転倒事故は起きるんです」

福島県立医科大教授の安村誠司氏がこう指摘するように、東京消防庁が発表している最新のデータ('17年)を見ても、それは一目瞭然だ。

都内で転倒事故が報告された5万5614件(年間)のうち、「住宅等居住場所」での事故は3万1000件以上。人は道路や駅の階段などの外出先で転倒していると思いきや、実はその過半数が自宅で転んでいる。

下のイラストで示したように、家の中の至るところに転倒リスクが潜んでいる。

 

'17年9月に発表された東京都生活文化局消費生活部の調査報告に目を通しても、転倒のバリエーションには驚かされる。

・リビングのカーペットに繋がれていた電気コードで転倒。
・居間のクッションを踏みつけて尻もち。
・廊下のドアノブを掴もうとしたときに手が滑り、バランスを崩して横転。
・マッサージチェアから立ち上がろうとしたら足がもつれて転ぶ。
・テーブルに立てかけておいた杖を取ろうとしたときに杖を倒し、拾おうとした瞬間に転倒。

誰もが転びやすいと注意している浴室もご多分に漏れない。風呂場の椅子から立ち上がろうとした瞬間に転んだり、浴槽のフタを外した際につんのめって転び、前歯を折る事故が多発している。

日々生活を送っている我が家は、どこになにがあるのか手に取るようにわかるもの。だが動き方が習慣化しているからこそ、わずかな体の変化に気が付かず、転倒が起きてしまう。

階段を例にとってみよう。若い頃から何千回、何万回と上り下りを繰り返してきただけに、段差の感覚は体に染みついている。

まさか踏み外すはずがない。そう思っていても、知らず知らずに足の筋力は衰えている。その感覚のわずかなズレが数mmの違いとなり、転倒事故に繋がるのだ。