# クラウドファンディング # 政府

政府は何%までクラウドファンディングだけで運営できるのか?

予算作りの分散化と新たなガバナンス
西川アサキ with VECTION プロフィール

「長期的な視野」を持てるのは誰?

話を戻すと、本質的な問題は、「クラウドファンディングでは通らなさそうだけども、長期的には(皆にとって)必要な事業」をどう選ぶのか?ということでした。

そのような事業をここでは「市場の外部」と呼んでおきましょう。クラウドファンディングも市場(人気)による決定の一つですから、その外側ぐらいの意味です。

市場の外部は「(色々な意味で)選ばれた(市場に左右されず長期的な視点を持つ)人」が決める、というのが古典的な解決策でした。

しかし、それがどうもうまくいかない。市場の外部に属さない事業まで政府がやってしまう、もしくは、「誰も必要としていないし、長期的にも必要がない」事業が選ばれた人周辺に生まれてしまう。

このあたりから「何%までクラウドファンディング化が可能か?」という問いが派生してきているのです。

つまり、そもそも「「選ばれた人」は市場の外部を「集団」よりもうまく決められる」という前提はどの程度正しいのでしょうか? 

あるいは、とても賢い個人(もしくは少数者)と、集団のどちらが、どういう局面なら「より賢い=市場の外部、長期的に必要なこと」を見つける力を持つのでしょう?

たとえば、明らかな国力差が調査で判明していたにもかかわらず日米開戦を防げず、戦争中も補給不足で兵士を無駄死にさせた「選ばれた人」には、少なくともその局面では「長期的視野で市場の外部を選択する能力」が欠けていたような気もします。

では、うまい具合に市場の外部を仕分けつつ、クラウドファンディング化の比率や予算配分を見つける仕組みはあるのでしょうか?

ここではスペースの関係上これ以上話を広げられませんが、興味のある方はVECTIONのサイトに続きを置いておくので、参照してください。これは、先にちょっと触れた「歯がゆいアクション」と、市場の外部の課題に同時に答えようとする話で、タイトルは「ミラーバジェットから弱いアナーキズムへ:「一人、一国家予算案」をストリーミング投票する」(https://vection.world/)です。

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追記:この原稿は、西川が草稿を書いたものを、VECTIONメンバーと同時編集で仕上げました。