# クラウドファンディング # 政府

政府は何%までクラウドファンディングだけで運営できるのか?

予算作りの分散化と新たなガバナンス
西川アサキ with VECTION プロフィール

ネタとしての予算、X%クラウドファンディング化政府

ところで、100%クラウドファンディング化政府は「(1)どうしても減らせない仕事」に属する社会的に必要な仕事を「どこまで」維持できるのでしょう?

ここでわざわざ「どこまで」と書いているのは、「できる・できない」のふた通りではなく、恐らくどれくらいできるのか?という比率が最も重要な問題だという点を強調しておきたいからです。

たとえば「そんなもの0%に決まっている!」という意見も、もちろんありです。しかし、その人は、「0%」と言ってしまった以上、現状存在する全ての事業企画を正当化する責任が生じます。

では、実際何%何でしょう?

もともと「政府」というのは、そもそも市場では解決しにくいサービス(予算がつきにくい、社会的・長期的には必要だが個人的・利己的には不要なタイプの企画)を提供するのが目的で生じたという建前です。ですから、そうした事柄については、やはりエリートや選ばれた人々が、無私の精神で公のために尽くすことを期待すべきではないでしょうか?

たとえば、クラウドファンディングで外交、軍事、警察を運営するのはとても難しそうで、よほどうまい仕組みをひねり出さない限り、100%クラウドファンディング化政府は難しそうです。

こんなことをぼんやり頭に浮かべながら「JUDGIT!」(http://judgit.net/)というサイトを眺めると助けになります。

このサイトは、「政府の情報の中でも核心に位置する「予算」をデータベース化したものに、検索機能をつけて誰でも使えるようにした」(JUDGIT!の趣旨より引用)ものです。

ちょっと眺めただけでも、「不発弾等処理交付金」(https://judgit.net/projects/4234)は、クラウドファンディング通過できないかも……、といった具体的な事例に基づいた感想を得ることができます。

同時に、この事業は別に必要ないだろうとか、これは完全クラウドファンディングでいいんじゃないか?というものも見つかるでしょう(あなたが0%クラウドファンディング化を確信していない限り)。

 

このサイトは素晴らしいのですが、いくつか課題もあります。

まず見るのが大変、というより、あらかじめ関心がないと「不発弾等処理」なんてとても探してこれない(不発弾の事例は筆者ではなく、VECTIONのメンバーが同時編集中に見つけたものです)という検索の難しさがあります。

ただ、検索に関しては、訪問者の適当なフィーリングからある程度関心を絞り込み、キーワードなしでも事業を推薦するところまでは、現在のAI技術でいけるでしょう。

あるいは、VTuberがネタとして日々色々謎めいた事業を掘り起こして議論してくれたり、お気に入り(?)の事業に「いいね!」あるいは「これいる??」などのマークぐらいつけられると、現代の熟議の場になりうるかもしれませんし、それぞれの人が何%クラウドファンディング化可能なのかを測るネタにもなるでしょう。

ただ、残念ながら、何か問題を見つけたり、自分なりの%を決めたとしても、次の選挙で嫌な事業に賛成しそうな人や党(?)には投票しない、というなんとも歯がゆいアクションしかできないというフィードバックの課題は残ります。