37歳から不妊治療をはじめ、台湾への駐在を機に卵子提供治療を受ける決意をした新垣りえさん。その治療に至る経緯や詳細を伝えるFRaU Web連載第3回。今までに、3年間に及ぶ不妊治療の経緯と、台湾の卵子提供による不妊治療が、日本とまったく雰囲気が違うことを伝えてくれました。前回お伝えしたように、妊娠率の高さも大きく異なるのです。

今回は、新垣さんが治療を決断する前に葛藤した「血のつながり」について綴ってくれました。「自分の子」とは、いったいどういうことを指すのでしょうか。

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卵子提供治療を受けて
すぐの妊娠陽性反応

今年3月25日は病院での妊娠判定日だった。台湾では、判定日当日の朝に自宅で尿検査を実施し、来院してから血液検査で正式な妊娠判定をする。2週間前に胚移植をうけてから既に2回も不正出血を確認していたことと、いわゆる妊娠超初期症状と言われるものもなかったので、今回もきっとダメだったのだろうと気が進まないまま尿検査をしたところ、薄っすらと検査試薬に反応が出ていた。

今まで3年間で陰性判定は何度も医師の口から聞いてきており、また一度検査試薬が薄っすらと陽性を示した後すぐに化学的流産をした経験もあったので、検査試薬の陽性反応を見てもなお「期待すまい、期待すまい」と自分に言い聞かせていた。悲しいかな、すっかり先回りして落胆をコントロールするクセがついてしまっているのでだ。

長い不妊治療の間に、期待をしては落胆する辛さを何度も経験し、そうならないようコントロールする術を身につけていた Photo by iStock

来院して、受精卵が着床しているかどうかを示すhCGというホルモン値を調べるために血液検査を受ける。私の左腕から採血をしながら「結果が楽しみですね」と満面の笑みで話しかけてくれる看護婦さんに、元気よく応えることができず、中途半端な愛想笑いを浮かべてしまった。1時間後に診察室に呼ばれ、「しっかり妊娠反応出ていますよ、おめでとうございます」と先生から言われた際は、喜びがこみ上げるよりも、ここまでたどり着くまでの葛藤や心の揺らぎの方が生々しく記憶に蘇ってきた。

「コウノトリアプリ」という病院のアプリで様々な結果を見ることができる。病院で検査した血中のhCGの値が表示されており、妊娠反応が陽性であることがわかる 写真提供/新垣りえ