発症頻度第2位、実は「原因不明」とされていた「めまい」の正体

ふらつきが怖くて電車に乗れない
木原 洋美 プロフィール

「謎の病気」に苦しんで

「PPPDは、まだあまり知られていませんが、患者さんは非常に多いと思います。実際、当科外来でめまいを主訴とする患者さんでは一番多い疾患です」

そう語るのは、千葉大学医学部附属病院 総合診療科の生坂政臣医師。同科は、謎の病気に苦しむ患者が頼る”最後の砦“として知られている。

生坂医師にさらに詳しく聞いてみた。

千葉大学医学部附属病院 総合診療科 生坂政臣医師
 

――PPPDとはどのような病気ですか?

生坂:何らかの急性めまいに続いて起きてくる、慢性的な持続性のめまいです。発症のきっかけは耳石のずれ(良性発作性頭位めまい症)や炎症(前庭神経炎)など様々ですが、慢性化した時点(回転性から非回転性のめまいになった時点)で、耳石のズレや炎症は改善しているにもかかわらず、症状が続いているのがこの病気の特徴で、病態解明が待たれるところです。

――2017年に診断基準が定められるまでは「謎の病気」だった?

生坂:日本では、メニエール病や良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、頸性めまい、心因性めまいなど、日本めまい平衡医学会が示している16のめまい疾患のいずれにも合致しない場合に「めまい症」と診断されてきました。つまりめまい症は、診断が付かなかったことを意味します。診断が付かなければ原因はわからないし、治療法もありません。当科には、気のせい、年のせいと片付けられ、困り果てて来院される方が多いです。

――PPPDの患者さんはどのくらいいるのでしょう?

生坂:めまいを診る専門機関では、良性発作性頭位めまい症に次いで多い(15~20%)ことが分かっています。