2019.10.06
# いじめ

ベストセラー『こども六法』が救った、9月1日の子どもたち

道のりは困難の連続だった…
山崎 聡一郎 プロフィール

状況が一変したのは学生時代の知人、小川凛一さんとの再会でした。学生時代は共に教育を志していた仲間でしたが、彼はその後広告代理店でキャリアを重ねつつ、社会的なニーズのある活動を広告の力で支援する「Creative Capital」という活動に取り組んでいました。

その活動の一つとして「こども六法」を世に出したいと話を持ち掛けてきたのです。私は呼びかけに応じ、彼の助けを得て「こども六法」を世に出すためのクラウドファンディングを実施することになりました。

クラウドファンディングは彼の制作した動画広告と、新聞での報道を通じて大きく拡散し、「昔の自分にプレゼントしたい」という、まさに私が「こども六法」を作った動機と同じ声と共に、334名から179万円もの支援が寄せられました。多くの声と支援を受けて弘文堂も出版に向けて本格的に乗り出して下さることになり、制作は再び動き出すことになりました。これは「こども六法」を世に出して欲しいという声と支援が一つ、また一つと集まる動きの始まりそのものでした。

 

何がなんでも9月1日までに出したかった

しかしその後、『こども六法』制作は困難を極めます。法律を、正確性を損ねないように簡単な言葉に“翻訳”するという作業は生半可なものではなく、クラウドファンディングを通じて「引っ込みがつかない」状況を作っていなければ、間違いなく挫折していたという確信があります。

特に難航したのが監修者の依頼です。多くの先生方が監修を辞退されましたが、最終的には『こども六法』のコンセプトに共感して下さった先生方から的確かつ熱心な監修を賜ることができました。

『こども六法』は読み物として面白い一冊にすることはもちろん、法教育の教材としても活用に耐えうるものとしなければならないと考えていました。内容が不正確となってしまっては教材として学校に入る上で致命的な欠陥になります。

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