Photo by iStock
# いじめ

ベストセラー『こども六法』が救った、9月1日の子どもたち

道のりは困難の連続だった…

法律は自分を守る武器になる。いじめ・虐待をなくすために——。難解な法律を平易な文章とわかりやすいイラストつきで解説、いじめや虐待から自分の身を守るための知識を子どもが楽しんで学ぶことができる本『こども六法』が、全国の書店で品薄状態が続くほどの人気を博している。

著者の山崎聡一郎さんもまた、小学生の頃にいじめを受けた経験を持つ一人。「いじめられていた当時の自分が欲しかった」という山崎さんに、『こども六法』誕生の経緯、さらに出版に至るまでの険しい道のりについて語っていただいた。

「こども六法」の誕生

私がいじめの被害を経験したのは、小学5年生から6年生にかけての2年間のことです。暴言や暴力を伴ういじめが中心で、いわゆる「触法行為」の被害者であり続けた2年間でした。

しかし、そのいじめ対応によっていじめが収束することはなく、加害者が出席停止等の懲戒を受けることも、触法少年(刑罰法令にふれる行為をした14歳未満の少年のこと。刑事責任能力を有していないため、処罰を受けることはない)として補導されることもありませんでした。

小学6年生の時には憲法の授業を通じて人権概念を学習しました。が、それ以降「自分の人権は明らかに侵害されているはずだが、誰も守ってくれない。なぜなのか。」という疑問を抱くようになります。

 

一方で、ニュースやドラマなどを通じて「〇〇罪」「〇〇刑」の存在は認識していたことから、本来はこのような制度が人権を守る枠組みとして大人の世界では機能しているのではないかということは子どもながら感覚的に理解していました。しかし、これらに該当する条文を発見しようと小学校の教科書に掲載されていた日本国憲法を全て読んだものの、求めていた条文はなかったのです。

六法全書に出会い、探し求めていた条文を発見したのは中学校に進学してからのことです。「自分が悪かったのか。やられ損だったのか」という疑問に突き動かされた執念はようやく実を結ぶことになりますが、この執念はすぐに後悔に変容します。