川田利明さん激白「ラーメン屋の開業ですぐに1000万円失ったワケ」

俺の失敗に学んでくれ
全日本プロレスの元トップレスラーで、現在はラーメン店を経営している川田利明さん。その奮闘ぶりを赤裸々に語ったのが、著書『開業から3年以内に8割が潰れるラーメン屋を失敗を重ねながら10年も続けてきたプロレスラーが伝える「してはいけない」逆説ビジネス学』(ワニブックス)だ。用意した開業資金、1000万円があっという間に消えたと語る川田さん。ラーメン店経営がいかに厳しいビジネスであるか、失敗から学んだ「俺だけの教訓」を余すところなく教えてくれた。

あまりに高かった「保証料」

どんなビジネスを始めるにしても、初期投資はどうしてもかかる。今までプロレスしかやってこなかったから、そのあたりのことはあまりピンと来ていなかった。

プロレスラーは文字どおり、裸一貫でやる職業。タイツとリングシューズさえあれば、あとは何もいらない。なんなら裸足で闘ってもいいわけで、初期投資とは無縁の世界だ。

もちろん、会社からみれば住むところを与えて、飯も食わせるわけだから、ひとりのプロレスラーがデビューするまでには、それなりの投資はしているものの、やる側の人間は本当に数万円もあれば、試合道具を揃えることができる。いや、先輩がお下がりのシューズやタイツをくれることだってある。

しかし、ラーメン屋……自営業の場合はそうは問屋が卸さない。

借りた店舗のものはどれも使えないものばかりだったので、すべてを買い揃えたり、リース契約を結ばなくてはいけなくなった。ただ、それ以上に大きな負担になるものがある。それこそが、店を借りる時に必要な「保証料」だ。

 

飲食店の場合、この「保証料」がべらぼうに高い。本当は正確な金額を書くべきなんだろうけど、正直、忘れてしまった。忘れた、というか、あまりにも高すぎて、もう思い出したくもない。

当然、敷金・礼金も別にかかるわけで、店の中がガラーンとしている状態でも、すでにけっこうなお金が財布から消えてしまっている。

厨房の中も、まずは食材を保管するための冷蔵庫が必要になる。業務用の大きなものだから、これも高い。あまりにも高いものはリース契約をするんだけど、その契約書に判子を押す時に、ある種の決断を迫られる。

普通に生活していて、何かをリース契約する時に「6年契約です」と言われても、別になんとも思わないけれど、店をオープンするために必要なものをリースする時には「そうか、俺は6年間は続けなくてはいけないのか……」とあとから実感する。

それは店舗の賃貸契約を延長する時も同じで、いまだに「これから数年後、この店は本当に続いているんだろうか?」と真剣に考えながら判子を押す。胃が痛くなるような決断は、店をやっている以上、いつまでもついてまわる。