2000年間も数学者を苦しめた「3つの難題」挑戦してみませんか?

円と同じ面積の正方形は描けるのか
横山 明日希 プロフィール

その方法が、先ほど円積問題で紹介した「多角形を円に内接させる」というもの。アルキメデスは正三角形、正四角形どころか、なんと正九十六角形を用いて、円周率の近似値の導出に挑みます。

彼は、円に内接する正九十六角形と外接する正九十六角形の2つを利用し、円周率は約3.1408から約3.1429の間であることを求めました。

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円周率の近似値を求めるために、以降もこの方法を使って算出しようとする人が出てきます。しかしながら、実はこの手法には弱点があることも同時に判明していきます。その弱点とは、角の数を増やしても、なかなか円周率の真の値に近づいていかないということ。

たとえば正五百角形では3.141572…となり、正千角形では3.141587…となります。その倍の正二千角形で3.1415914…と小数点5桁目が近似される程度で、これ以上の細かい多角形を描くことは現実問題不可能になってきます。

作図をせずに計算で求めることもできるのですが、16世紀にルドルフ・ファン・コーレンという数学者が正262角形(約461京)を用いてようやく円周率の35桁目まで正しく計算した、という記録からもわかるように、この方法で理論値に近づけていくのはかなり難しいことがわかります。

そういった背景のなかで登場したのが、円周率を導出できる数式です。有名なもので、14世紀に見つけられた

π4=1-13+15-17+=n=0-1n2n+1

というライプニッツの公式や、17世紀にウォリスという数学者が導出した

21×23×43× 45×65×67×87×89×=π2

という式があります。これらを用いて、より効率的に円周率の近似値を求められるようになっていきます。とはいえ、人間の力だけでは数百桁程度が限界でした。

そういった中で円周率の近似値の導出に大きく貢献したのは、コンピュータ。コンピュータの開発により、1949年には2037桁、1973年には100万桁と、飛躍的に計算が進んでいきます。ちなみに現在では、31兆4159億2653万5897桁。もはや想像がつかない桁数にまで、近似値が導出されております。

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当たり前のように使っている円周率、そして「およそ3.14とする」や「円周率をπと表記する」といった話の背景には、実は長い歴史の中で研究されてきたものがたくさんあるのです。

教科書や本に当たり前のように載っている公式や定理。今一度あらためてその歴史を遡ってみると、意外な発見や楽しみが見えてくるかもしれません。ぜひ、調べて数学の歴史の魅力に触れてみてください。