爆発的ブームの「スパイスカレー」が、カレー界の常識を打ち破るまで

原価が高い、体にいい、並んでも食べたい
高橋 洋太 プロフィール

原価はめちゃめちゃ高い

──女性のお客さんは多いですか? 従来のカレーのイメージは「男性の好物」だったと思うのですが、「スパイスカレー」は女性からの支持も厚く、愛されている気がします。冷えの解消や体調管理にもスパイスは役立ちそうです。

「最初は7:3くらいで男性のお客様が多かったんですが、今はほぼ半々になっている感覚がありますね。確かに、スパイスカレーには女性の支持者が多い気がします。薬膳や漢方といったキーワードは女性に響きやすいですし、スパイスカレーは香りで食べるものでもありますから、アロマ感も重要なのかもしれません」

──体調が悪い時に辛いものが食べたくなる人も多いですよね。

「スパイスカレーの薬膳効果で体調を整えて、辛さでストレスを撃退する、ということかもしれませんね。食後のお客さんにも、『もう身体の調子がいい感じです!』と言われることもあります。こうした『体にいい』という感覚は、従来のカレーにはないものかもしれません。食べ終わった後、爽快なお顔で帰ってゆくお客さんを見るのが嬉しいです」

──スパイスカレーの人気の秘訣には、盛り付けも貢献しているようですね。

「知り合いのお店では、盛り付けを変えただけで客数が伸びたと聞きました。それまでは、ごはんとルーを分けて提供していて、『あまりうまくいっていない』と悩んでいたそうですが、カレー自体は変えずに盛り付けをワンプレートにした途端、お客さんが急に増えた。やはり反応が違うようですね」

 

──経営視点から見ると、スパイスカレーってどうでしょうか? ぶっちゃけ、儲かりますか?

原価がめちゃめちゃ高いんです。忙しく働いていますが、儲からないです(笑)。カレーはやっぱりお米を使いますから、そもそも材料費が高いですし、うちはお肉の入ったカレーをよく作るので、そうするとどんどん原価が上がってしまいます。なので、『儲からなくてもいいから自分のこだわりを出したい』と思う方が、スパイスカレー店の店主には多い気がします。

また、お客さんが来てから提供するまでは数分でも、仕込みと調理にかなり時間がかかります。営業していない時間も、仕込みと調理にかなり時間を割いていますね。私の場合、朝に仕込みをするのがこだわりです」

原価が高くても、仕込みが大変でも、まだ誰も食べたことのない、こだわりぬいたオリジナルのカレーを食べてもらいたい──そんな店主の想いに惹かれて、足繁く通うお客さんも多いのではないだろうか。

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