中国は「長い長い停滞」の後、いかにして大転換を遂げたか

本当の「新中国」発足は約40年前
野口 悠紀雄 プロフィール

いまも活躍する重要企業の誕生

中国における株式会社制度の正式の導入は 1992 年であり、株式市場が整備されるのも1990年代になってからだ。しかし、80年代において、すでにいくつかの重要な企業が設立された。それらは、現在、中国を代表する企業になっている。

中国を代表する PCメーカーであるレノボ(聯想)は、国の機関である中国科学院の11名の研究員によって1984年に設立された(現在、本社はアメリカにある)。

家庭電化製品では、ハイアール・グループ(海爾集団)がある。同社は、1984年に青島市から青島冷蔵庫本工場という集団所有制企業に派遣された張瑞敏氏が設立し、87年に「ハイアール」と改称した。

赴任直後の張氏が、76台の不良品を全従業員が見守る中で打ち壊し、「品質こそ命」という考えを従業員全員に叩き込んだというエピソードは有名だ。

 

さらに、彼は、人事・労務管理に徹底的な競争原理と成果主義を導入した。そして、「農民出身者で一般労働者として採用された者でも、業績次第では管理者になれる」という方針を確立した。

通信機器の分野では、華為技術(ファーウェイ・テクノロジー)が1988年に設立された。そのCEOである任正非氏は、中国人民解放軍の元幹部技術者だ。

この時期に設立されたもう1つの重要な企業として、建設機械メーカーの三一重工がある。主な製品は、コンクリートポンプ、コンクリートミキサー車、ロードローラー、舗装機械などだ。同社は、1989年に国営企業から飛び出した4人が設立した。