投資の神様・バフェット「必勝法はただ1つ、『歪み』を見つけよ」

億万長者になるための流儀
大原 浩 プロフィール

バフェット流の基本は「歪み」の活用

11歳から89歳に至る今日まで、バフェットの投資手法には大きく分けて3回(ステージは4つ)の変化があった。

1) 11歳から20歳でグレアムの著書に出会うまで。本人曰く「霧の中にいた」というように、チャート分析などを行っていたが「これでいいのか」という不安にさいなまれており、現在のバフェット流とは全く違った投資手法であった。
2) 20歳でグレアムの著書「賢明なる投資家」に出会ってから、シーズ・キャンディーに投資をするまで。グレアムの教えに忠実に、財務諸表で分析した企業価値と市場価格がかい離した」(歪んだ)ときに購入する手法、すなわち歪みを利用する現在のバフェット流の基礎が確立した。
3) シーズ・キャンデイーへの投資は、盟友チャーリー・マンガーのアドバイスによるものだが、財務諸表による企業価値だけではなく、目に見えないブランドに着目し、ブランドが本来持つ価値と市場価格とのかい離(歪み)に着目した。
4) コカ・コーラに投資した時には、投資した当時のコカ・コーラの企業価値ではなく、将来のコカ・コーラの企業価値とのかい離(歪み)に着目した。

つまり、2)3)までは、現在の企業価値と市場価格とのかい離(歪み)に着目していたのが、4)以降、将来の企業価値と現在の企業価値との差に注目するようになったので、最も大きなターニングポイントであるといえよう。

 

もちろん、将来と言ってもバフェットは未来予測をしないから、コカ・コーラのように何十年先も同じビジネスモデルが通用する企業が対象だ。髭剃りのジレット(現在はP&G傘下)もバフェットの投資先として有名だ。

また、現在のバフェット(バークシャー)の主要投資先に(貨物)鉄道と、電力や天然ガスなどのエネルギー企業がある。

どちらのビジネスモデルも、やはり今後数十年変化しないであろうから、「将来の企業価値と現在の市場価値とのかい離(歪み)」を活用することができるのだ。

その点で、最近のアップルやアマゾンへの投資は2)~4)の手法の合致するのか?という疑問が生じる。

9月20日の記事「GAFAなんかに投資した神様・バフェットは大丈夫なのか?」で述べたように、バフェット自身はアップルやアマゾンを「インフラ」ととらえて、数十年変化しないモデルだと思っているフシがあるが、鉄道やエネルギーなどのインフラとは本質的な違いがあると考える。

もちろん、コカ・コーラのような企業があればそこに投資したいのであろうが、現在そのような企業は見つけにくくなっている。しかも、バフェットが「油田のように吹き上げる」と称する、毎年数兆円にも上る多額の現金流入による運用圧力もある。

2)~4)のバフェット流も、神通力を失ってきたかも知れない。しかし拙書「バフェットから広がる次の時代」においても解説したが、「歪み」を利用するという基礎は変わらないと考える。