「金ピカ先生」年収2億でも「老後破綻」してしまったワケ

誰にとっても他人事じゃない
加谷 珪一 プロフィール

カギを握る配偶者の存在

佐藤氏も該当すると思われるが、高齢者が困窮するもうひとつの理由は配偶者の死亡や離別である。

もし夫婦が国民年金で40年間、満額、保険料を収めていれば、それぞれ国民年金を受給できるので世帯月収は13万円になる。だがここで配偶者と離婚したり、配偶者が死亡してしまうと、年金額が半分になるので、生活に困窮する確率が一気に高まる。

現在、生活保護を受けている人は約210万人だが、このうち55%が高齢者世帯となっており、しかも、高齢受給者の9割以上が単身世帯である。統計データには個別の情報はないが、配偶者との死別や離婚などで年金額が半減し、生活が破綻したことを如実に物語っている(あるいはもともと単身者ということもあり得る)。

 

夫婦の生活には個人的な事情があるので、他人が口を挟むことではないが、もし年金以外に頼れる資金源がない人は、よほどなことがない限り離婚はしない方がよい。また、死別などで孤独になった場合、子どもや兄弟など、頼れる親族がいるのかが重要なポイントとなる。単身者や親類縁者が少ない人、関係が希薄という人は、そうでない人以上に、自身の資産を積極的に構築しておく必要があるだろう。

先ほども説明したように、今後は国民年金だけでなく厚生年金でも、生活が困窮する人が増えてくる。厳しいようだが、40歳前後の年収を基準に、そこから昇給を実現できた場合には、全額を資産形成に振り向けるくらいの覚悟を持っていないと、高齢化時代を生き延びるのは難しいだろう。