セックスをなめたらあかんぜよ

自由で冷たい男は、女にモテる。女性が自分らしく生きることを尊重するが、だからこそ、ある部分では簡単に突き放す。柔らかな笑顔で話しやすい雰囲気を醸し、実際に話も聞くが、機嫌を取ったり媚びたりはしない。だから色気がある。その上、ルックスが良くセンスがあり、レベル高めの美大卒。勝手に女性が寄ってくるし、翔平はそれを拒まない。むしろ喜ぶ。だからセフレができる。

でも、セフレはセフレだから。本命じゃないから。だから気にしないで! という意味で翔平はあの台詞を言ったのでは、と思っている人もいるだろう(実際ネットでいくつもそのような意見をみかけた)。あれは香織に対する優しさでは、と。

私はそうは思わない。100歩譲って翔平にそういう意図があったとしても、結局はあの発言は香織を苦しませることになると予感している。

なぜなら、女性の多くは、男性のように心と身体を分けて考えられないからだ。

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女性だって浮気をする。夫がいて別の男性とセックスをする人だっている。だが、女性の場合、夫との関係に満たされず、他に合う人がいたら乗り換える可能性を考えているケースが圧倒的に多い。永遠に2人の男性と関係を続けたい、と願っている人は少数派だ(いないわけではない。実際にそれを平和に実践している女性を知っている)。

翔平も言っていたように、男女の気持ちの強さが全く同じであることは少ない。セフレにしても、大抵はどちらか片方の気持ちの方が強いし、最初は軽い気持ちで会っていた女性が身体を重ねるにつれ想いが強くなっていった、と語るケースもごまんとある。男女逆のパターンもある。

つまり何が言いたいかというと、セックスをなめたらあかんぜよ、ということである。倫理観的にセフレがダメという話ではなく、人と人との関係に及ぼす影響は深くて長くて大きいぞ、という意味で。