2019.11.04
# 免疫学

子供がかぜをひいても、「受診」や「かぜ薬」が必須ではない理由

押さえておきたいかぜの自然経過

生後6ヵ月くらいまでは母親からもらった抗体で守られているためかぜをあまりひきません。

生後6ヵ月以降は、母親からもらった抗体は消失するため、子供自身の免疫でかぜの原因ウイルスと闘う必要があります。このため、生後6ヵ月〜2歳くらいまでは、非常によくかぜをひきます。

たとえば、1〜2歳未満のお子さんは、年間に平均して5〜6回ほどかぜをひきます(下図)。

かぜをひく回数は年齢が上がってくると次第に減ってきて、10代で成人と同じレベルになります。成人が1年に2〜3回ほどしかかぜをひかないのに、こどもが倍以上かかっていると不安になってしまうかもしれませんが、こどもがかぜをひくのはごく自然のことなのです。

 

特にかぜの回数が増えやすいのは、保育園や幼稚園に入園した時です。アメリカで行われた調査では、保育園に通う乳幼児と自宅にいる乳幼児で、感染症やかぜの回数を比較しています16

この調査によると、保育園に通っている場合、かぜの回数は1.5〜2倍ほど多くなるのが分かっています。

  自宅 保育園
感染症、平均回数/年 4.7回 7.1回
かぜ、平均回数/年 3.9回 6.3回

保育園ではさまざまなお子さんと接触するため、それだけ感染の機会が多いのだと考えられています。「保育園に通園しだしたら、かぜを繰り返してばかりいます」とご相談を受けることも多いですが、実はこれも自然な経過なのです。

「保育園に通園させたがために、かぜの回数が増えるなんて……」と落胆してしまう方がいるかもしれませんが、デメリットばかりではありません。保育園に通園していた乳幼児と通園しなかった乳幼児とで、かぜの頻度を追跡した研究もあります17

たしかに保育園に通園しているお子さんは、1〜3歳の間は頻繁にかぜをひく傾向があります。しかし、小学校に入ると、そうでないお子さんと比較してかぜにかかる可能性がかなり低くなっているのが分かります(上図)。

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