子供がかぜをひいても、「受診」や「かぜ薬」が必須ではない理由

押さえておきたいかぜの自然経過

そこで、ガイドラインの記載だけでなく、過去の研究結果を参照してみましょう。小児のかぜ症状が平均的にどのくらい持続していたのかを調査した研究は複数あります3,4

こちらの図は2013年に発表されたシステマティックレビューとメタ解析の結果です。この研究では、かぜ症状の期間を報告した研究結果を網羅的に集めて、どのくらい症状が持続するのかを検討しています。

 

かぜの代表的な症状には咳・鼻汁などが該当しますが、これらは10日ほどで約半分のお子さんが軽快しているのが分かっています。逆にいうと、かぜをひいて10日ほどしても、残り半分のお子さんは咳や鼻汁が続いています。

鼻汁は2週間前後で徐々に治ることが多いですが、咳の消失は非常に緩やかで、3週間ほど様子を見ても、まだ咳がダラダラと続いているお子さんが2割ほど残っています。

2002年に報告された別の研究結果も見てみましょう。こちらの研究では、かぜをひいた乳幼児を対象に、1週間後に各症状がどのくらいの割合で残っているかを調査しています。

その結果を見ると、鼻水や咳は50%前後のお子さんで残っていました。一方で、食欲低下は14%、咽頭痛は5%、発熱は1%しか持続していないのが分かります。

ポイント
・かぜによる咳や鼻水が1〜2週間ほど持続することは非常によくある

抗生物質の意味があるのは「数千人に1人」

「かぜの症状が出てきたので、悪化する前に早めに受診して、早めに治療しようと思いました」
「咳や鼻水を軽快させる薬をください」
「早く治したいので抗生剤(抗菌薬、抗生物質)をください」

こちらも外来でよく相談される内容です。しかし、残念ながら、現代の医療ではかぜに有効な薬は基本的にはありません。

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