米短期金利の異常上昇は、いつか見たリーマン型国際金融危機の兆候か

結局トランプが正しかった
宿輪 純一 プロフィール

金融危機――いつか来た道の恐れ

近年まで長く続いた過度な量的緩和において、投資家の出資や金融機関の貸出の基準は緩んでいった。低格付け(投資不適格:BB格以下)の企業向け融資も拡大し、経営者に甘い企業統治も黙認されることとなった。

いわゆる「バブル」である。よく発生した事象が、赤字脱却が見えないまま、規模拡大に突き進む、そして債務超過に向かい、倒産に向かう、というものである。

量的緩和の縮小と経済成長率の低下に転換する中で、信用リスクが高まっているのである。しかも、その低格付け企業向け融資は「CLO(ローン担保証券)」といった複雑な金融商品に形をかえ、世界中の投資家や金融機関に売却された。日本経済新聞によれば農林中央金庫など日本の金融機関でも保有している。

 

2007~09年ごろ、サブプライム危機・リーマンショック危機を経験した投資家や金融機関は、基準を厳格化し、手元に余剰資金を保有したいと考えるのも無理はない。ちょうどそれは、2007年に市場が「住宅ローン担保証券」について疑念を抱き始め、レポ金利が急騰した記憶とダブる。それは「いつか来た道」と思えて仕方ない。

金融危機やバブルというものは、後からみると、なんでこのようなことをしたのか、分からないものが多い。そして、1980年代ブラックマンデー、1990年代アジア通貨危機、2000年代サブプライム・リーマンショック、など10年に1回は危機が発生してきたのもまた事実であり、金融の知識として十分に注意をしなければならない。

トランプ大統領が中央銀行に金融緩和の圧力を掛けた「直観性」、そして今回の短期金利上昇が与えた世界の企業に対する経営上の負担については次回解説したい。