米短期金利の異常上昇は、いつか見たリーマン型国際金融危機の兆候か

結局トランプが正しかった
宿輪 純一 プロフィール

短期金利跳ね上がりの原因

株式市場と短期金融市場は構造が違い、今回は株式市場の急落のように、自動(アルゴリズム)取引などといったIT的なものではない。

近年、FRBは量的緩和の縮小に取り組み始めていた。さらに米国では例年9月半ば、国債入札の決済や、法人税の納付のため、民間の市場に出回る資金が少なくなる。

トランプが行う財政政策の拡大のため、国債発行量が増加しており、民間の資金を吸い上げてしまうことが起こった。これは不景気になると発生するクラウディングアウトといわれる現象だ。

しかし、そのような問題だけで、先進国の短期金融市場は金利が10%には上がらない。

 

筆者は、この背景には「信用リスク」の問題が発生していると分析している。マクロ的にいうと、トランプ大統領が継続・強化している米中貿易摩擦のために、米国景気は、経済成長率が低下しつつあり、企業を取り巻く経営環境も同様に悪化している。

このような状況下、ユニコーンといわれた上場企業、例えばウーバーなどの株価が大幅下落し、またWeWorkを始めとした上場(IPO)企業数が激減するなど、米国の企業の経営に対して、市場の視点は「甘め」から「厳しめ」に転換した。投資家や金融機関も事業の「質」を重視し始めたのが大きい。

この信用リスクの問題には、実際にはFRBも十分気が付いていた。7月と9月のFOMCにおける利下げは、「現在進行形のリスク」に対する「予防」あるいは「保険」のためと説明され実施された。