全国紙でも進む「リストラ・支局統廃合」新聞記者の苦悩と見えぬ未来

生き残りの道はあるのか?
松岡 久蔵 プロフィール

給料の高い「オッサン記者」を養えない

産経だけでなく、今年に入って毎日新聞も50代の記者職を中心に200人規模の早期退職者募集を始めた。東京、大阪、西部(福岡県)の本社に記者を集中し、北陸や東北、九州の各県の支局を縮小する方針だという。30代の毎日新聞記者がこう解説する。

「『バブル入社組』の、働かないのに給料だけ1000万円台と高い『オッサン記者』を養っていく余裕が本格的になくなったというわけです。

これまでベテランにとって、地方支局の幹部になることは『本社で頑張ったご褒美』という側面がありましたが、本社に残れなかった記者ほどハラスメントの意識が薄い人が多く、せっかく入社してきた貴重な若手記者がパワハラ被害に遭って辞めるパターンが多いことも問題視されていました。

ただ、地方支局が人手不足になるため、『大きな事件・事故が起こった場合、対応できるのか』と早くも懸念の声が上がっています。さらに、地方支局の存在意義でもある、地元のイベントや事件などを扱う県民版まで共同通信に依頼しようという動きもあり、現場からは『それならもう共同新聞と名乗ったほうがいい』という皮肉が出ています」

 

各地域の報道を担う地方紙も、近年は夕刊廃止が相次ぐなど、経営危機が深刻だ。そこに加えて大手紙の営業攻勢も強まっているという。関西地方の地方紙営業部社員はこう話す。

「特に読売新聞は販売部数最多を維持するために、地方紙の読者を奪う戦略を展開しています。例えば、神戸新聞は兵庫県内では高いシェアを誇りますが、尼崎など大阪に近い阪神地区では読売としのぎを削っています。読売は体力がありますから、少々の安売りやオマケ攻勢にも耐えられるので、余裕がない地方紙を力技で押せるというわけです。

読売が今年1月から約1割の値上げに踏み切ったことで、少し勢いは弱まりましたが、油断はできません。粘り強く昔からの読者に購読を続けていただくしかないのが現状です」

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