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衝撃…最新研究で判明「やせている人ほど認知症になりやすい」

医療界の常識がいま、揺らいでいる

「健康のために体重はどんどん減らしましょう」。そんな医療界の常識がいま、揺らいでいる。なぜやせていることがリスクとなり、悲惨な病を招くのか。最新研究から、そのメカニズムに迫る。

国家的プロジェクトの分析

「高齢者は、やせている人ほど認知症になりやすい。これは今回の調査でわかった新たな発見です。

これまで認知症を引き起こす原因として、糖尿病ばかりが引き合いに出されてきました。たしかに、それは実験でも証明されています。ですが、認知症の原因として注目すべきなのは、糖尿病だけではなかったんです」(山梨大学医学部の横道洋司准教授)

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)の計算法で割り出すBMI(ボディマス指数。肥満度を示す指標のこと)が18.5未満のやせ型の高齢者ほど、認知症にかかるリスクが高い。

 

今年7月、東大、千葉大、山梨大などの共同研究グループによってまとめられた衝撃のデータが話題を呼んでいる。

この研究は40の大学や研究機関がこぞって参加し、高齢者の健康問題を調査する国家的プロジェクト「JAGES」(日本老年学的評価研究)の一環として行われ、分析されたもの。

これまでは、肥満が万病の元とされてきた。実際、健康診断のたびにウエストを厳しくチェックされ、少しでもメタボリックシンドロームの基準(男性85cm、女性90cm)を超えていたら厳重注意を受けた人も多いだろう。だが、今回の発表によって、その「常識」が覆されたのだ。

調査の対象となったのは、愛知県常滑市と南知多町に住む65歳以上の高齢者。研究チームは6年間にわたってこの地域に暮らす3696人を追いかけ、認知症の発症率や原因を調査した。

すると、やせている高齢者は標準体型(BMI18.5~25未満)の人に比べて、最大で172%もの割合で認知症にかかるリスクがあると明らかになった。

逆に、BMI25以上の肥満体型の人は、標準体型を100%とすると認知症になる可能性は73~82%。つまり、太っている人ほど認知症にならないという驚きの結果が出たのだ。