地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
アメリカのスペースシャトル「ディスカバリー(Space Shuttle Discovery)」より、NASAとESA(欧州宇宙機関)が共同開発した太陽活動探査機「ユリシーズ(Ulysses)」が放出されました。
ユリシーズの名は、ギリシャ神話の英雄「オデュッセウス」のラテン語名から付けられました。
重さは意外にも370kgと軽量。1992年に木星でスイングバイ(惑星の引力を利用して、軌道を変えること。「はやぶさ」で有名になったアレです)を行い、94年、95年に太陽極軌道に接近、観測を成功させました。

ユリシーズの航路をイメージしたCG。左手に描かれた木星で、スイングバイによる軌道変更を示している photo by gettyimages
関連の日(スイングバイについて):
8月20日 惑星探査機ボイジャー2号打ち上げ(1977年)
ユリシーズの搭載機器は、粒プルトニウム238の放射壊変による熱で発電する原子力電池 (RTG) から供給される電力で運用されていました。しかし、このRTGの出力低下が著しくなり、2009年に運用を終了しました。
運用中には、太陽活動の観測という主目的外にも、以前ご紹介した日本のアマチュア天文家・百武裕司さんが発見した百武彗星の観測など、数々の業績を残しました。