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「ウクライナ疑惑」SECRETの通話記録を公開した、トランプの鋭い思惑

際立つ直感的判断

「SECRET」の電話会談記録

筆者の手元に、いまワシントンの政界関係者の耳目を集めているドナルド・トランプ大統領とウクライナのヴォロディーミル・ゼレンスキー大統領との電話会談記録A4版5枚のコピーがある。

 

その冒頭には「SECRET//ORCON/NOFORN」、「EYES ONLY DO NOT COPY MEMORANDUM OF TELEPHONE CONVERSATION SUBJECT:Telephone Conversation with President Zelenskyy of Ukraine」と題されている。

そして、その電話会談記録の上に大きく「UNCLASSIFIED」のスタンプが押され、「Declassified by order of the President September 24, 2019」と記されている。

トランプ大統領がホワイトハウスのシチュエーションルームでゼレンスキー大統領と電話会談を行なったのは7月25日午前9時03分から30分間である。

先ずはここで、米政府の機密・極秘資料の分類用語が頻出されているこの電話記録を紐解いてみよう。

極秘資料は機密度の高い順番で言うと、「TOP SECRET」→「SECRET」→「CONFIDENTIAL」である。従って、「SECRET」は公表されれば国家安全保障に多大な影響を及ぼすものということだ。

我が国のインテリジェンス・コミュニティ(情報収集・分析組織を含む各省庁機関)でも「厳秘」→「秘」→「取扱注意」の3段階に分類されている。この「SECRET」は日本の「秘」に相当する。機密保持が厳格化されている。

次に、「ORCON」と「NOFORN」という2つの全く馴染がない用語は、どのような意味なのか。ホワイトハウスや国防総省(ペンタゴン)、国務省で使用される「隠語」である。

前者はOriginator Controlled disseminationの略語であり資料の作成者(配布者)が配布先を管理・監視(コントロール)することである。後者はNo Foreign disseminationの略語であり、米国民のみに配布を限定するということである。
では、 なぜ極秘電話会談の記録が僅か2か月後に大統領命で解除(Unclassified)されたのかである。