〔PHOTO〕西﨑進也

土井善晴はどうして「家の中の多様性」を大切にするのか

「食卓」は、家庭それぞれでいい

【前編】はこちら

朝食に「赤福」食べたら何があかんの?

かつて土井が投稿したツイートが物議を醸したことがあった。

それは何気ない土井の朝食の献立だった。伊勢名物のあの「赤福」にワカメのお味噌汁——

この奇想天外な組み合わせに「それは違うやろ」とネット民が物言いをつけたのだ。

「正しい日本の朝食ではない」「栄養が偏っている」「健康に悪そう」

この「朝食に赤福はふさわしいのか」論争は、多くのユーザーを巻き込んで反響が広がった。

しかし、当の土井はどこ吹く風で、ユーモアを交えこう切り返した。

「何言うてんねん。
石頭やなー(笑)」

そして、こうしめくくった。

「どうぞ、家の中の多様性を認めてください」

この「家の中の多様性を認めてください」という土井の言葉はまたたくまに拡散した。コメント欄には「背中を押された気持ちです」「救われた思いがしました」などの言葉があふれた——

なぜ、この土井の言葉は多くの人に支持されたのか。

(以下、太字でない部分が土井氏の発言)

〔PHOTO〕西﨑進也

多様性をどうとらえるかにもよりますが、日本社会ほど、「人それぞれ違う」という当たり前のことが認められていない世界はないと思います。つまり、多様性の時代と言われていますが、現実は「多様化していない」、むしろ近年急速に単純化していると思います。

朝食に赤福を食べる。温かいご飯に冷たい牛乳をかけて食べる。トーストした食パンをお味噌汁につけて食べる——そんなん家のことなんだから、いいんですよ。家にあるもんを食べる、当たり前のこと、普通のことだと思いますよ。赤福だって、早く食べないとダメにするし、もったいないでしょ。

 

なんで、みんな一緒の朝ごはん食べなあかんのですか。こっちが聞きたい。どうせ、なにも答えられないと思うけど。そっちこそええかげんなこと言うたらあかんわ。自分と違う考えをもっている人が気になるのは、ほんまに弱い人です。お行儀のよい人は、いらんこと言わない、黙ってるもんです。なぜを説明できないなら、黙って思考せよ。