突然だが、以下の記述を見て皆さんはどう感じるだろうか。

<私たち夫婦は結婚以来、私が主に毎日の食事作りを担当し、妻が掃除と洗濯を担当し、育児またその他の項目も含め、仕事と家事育児のバランスが2人で平等になることを目指している>

これは私たち夫婦の形なのだが、こういった内容を男性である私が話すと、日本では「頑張ってる」「偉い」と必要以上に称賛される傾向がある。

対して妻が同様の内容を話すと、「いい夫婦だね」という反応はあっても本人に対する称賛は極めて少なく、逆に「いい夫を持ったね」などと私が称賛される場合が多い。それどころか「夫に押し付けて楽してる」といった理不尽な批判を受けることまである。

夫婦の中では「平等」を目指して仕事と家事育児のバランスを取ろうとしているだけなのに、それに対して外からは夫と妻で「不平等」な反応をされてしまうのだ。こういった経験がある人は女性でも男性でも少なくないのではないだろうか。

この「平等が生む不平等」現象が起こる原因はどこにあるのか。日本と海外(欧米)両方で生活してきた私たち夫婦の経験を元に考えてみたい。

いい夫=普通の妻、という現実

まず私が受けてきた「平等が生む不平等」な称賛の例を紹介する。

私が最も多く受ける称賛は「料理」についてである。「結婚以来食事を毎日作ってる」「買い出しから食器洗いまで全部やってる」などと話しただけで「いい夫」と称賛を受けたり、誰かを招いて料理を振る舞った場合などは、実際の味の何倍増しにも褒められる。

〔PHOTO〕iStock

次に称賛を受けることが多いのが「育児」についてである。「保育園への送迎をしてる」「保護者会に出てる」などと話したり、場合によってはベビーカーを押しているだけで「いいお父さん」と称賛される。

仕事に関しても私だけが称賛を受ける場面は多い。「育休」への称賛は代表的であるが、他にも「出張」など夫婦のどちらかが仕事で家を不在にする場合には同様の不平等な称賛が起こりやすい。例えば、妻が出張中に子供を連れて人と会うと「一人で頑張ってて偉い」と称賛を受けるといった具合である。

しかし、これらはどれも日本では女性が「当り前」とされて行ってきたことであり、同じことを女性がしても称賛されることはほとんどない。食事を作るのは当り前だし、保護者会に出るのも育休を取るのも夫の出張中に家を守るのも「普通の妻」「普通のお母さん」として当り前とされているのだ。