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クレーム客をファンに変えた、ある水族館の「神対応」とは

「解決策」で勝負してはいけない
サービス業をはじめ、お客さんと接する仕事につきものなのが「クレーム」だ。どうすれば相手の怒りを笑顔に変えることができるのか、頭を悩ませている人も多いだろう。ある水族館に寄せられた、意外なクレーム。しかし、著書『超一流のクレーム対応』で知られる、人気クレーム・コンサルタントの谷厚志氏のアドバイスで、そのクレーム客は「ファン」へと変わったという。「神対応」の秘密を、谷氏みずから明かす。

「なりたかった姿」を理解する

クレームはなぜ起きるのか?

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それは、お客様の大きな期待があったからです。

「この会社にお願いしたら、こうなるだろうと思っていた」「便利で快適な生活になるだろうと信じていた」「これくらいはきちんとやってくれるだろう」という期待をお客様は持っていたのです。

でも実際、期待していたものと全然違うと、「ガッカリだよ!」「残念だよ!」「期待外れだよ!」となります。このお客様の期待と現実のギャップ(落差)がクレームの正体です。

このギャップに失望して悲しんでいるお客様の気持ちを理解しなければいけません。

お客様の失望感を理解しようとして、しっかり共感しながら話を聴いていると気づくことがあります。それは、クレームはお客様ならではの事情や、対応者側(企業側)が想像もしなかったような背景、さらには、その商品やサービスを手に入れてお客様はどうなりたかったのか、つまりお客様の「なりたかった姿」です。

 

これらをしっかり理解することが大切です。

ここで紹介するお話は、ある水族館のイルカショーへのクレームの事例です。ご家族で来館されたお客様から、その水族館の公式サイトに「イルカショーのイルカが思ったより上に飛ばなかった……。イルカのやる気がなかった」という内容の書き込みがあり、この書き込みへの対応に関して、水族館のクレーム担当者から相談を受けました。

そこで、ウェブやSNS上においてお客様からの指摘(申し出)の主旨がわからない場合の対応法として、次のように返信回答してもらいました。

「ご指摘、誠にありがとうございます。もう少し詳しくお話を聴かせていだきたく存じます。お手数ですが、当社お客様相談室 0120-○○○○-○○○○までお電話いただきましたら、私〇〇が担当させていただきます。ご連絡、心よりお待ち申し上げております」