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# 経済・ビジネス

中日・根尾選手も愛読!『論語と算盤』における渋沢栄一の美学とは?

日本経済の「顔」が大切にしたもの

渋沢栄一は技のデパート!?

昔ビル・ロビンソンというプロレスラーがおりました。ありとあらゆる技を出す「技のデパート」と呼ばれ、一時期人気がありましたが、ジャイアント馬場さんは「あれじゃダメだ」と言っていました。

ジャイアント馬場といえば十六文キックと空手チョップ、この2つに尽きます。彼のキャラクターの一部と言ってもいい。それだけ目立つし印象にも残るのです。

 

ところがビル・ロビンソンは何でもやっちゃうので、観客はいろいろな技を出すことに慣れてしまいます。必殺技1つ出しただけでは許してくれない。お客さんの印象も薄れてしまいます。馬場さんの言う通りでした

何が言いたいのかというと、渋沢栄一は余りに多くのことをやりすぎました。ビジネスだけでも約500社の起業に関しています。教科書に名前は出てくるのですが、具体的に何をやったのか覚えている人は少ない。

坂本龍馬は薩長同盟締結に関与したというシンボリックな出来事1つで有名です。ただ渋沢にはそういう印象的なことがない。強いて挙げればみずほ銀行や東京ガスの創設者ですが、そのような目立った功績も、他の多くの事業の中に埋もれてしまっています。

渋沢が設立した企業

フランス滞在で開花したビジネスの天才

しかしこの人の頭脳は天才的です。彼は徳川幕府代表団の随行員としてパリ万博に行っているのですが、滞在中に明治維新が起こってスポンサーである幕府がなくなってしまいます。他のメンバーが慌てふためくなか、なんと自分の旅費や代表団の資金で株や債券を運用して、全員分の滞在費を捻出しました。株式の存在すら知らなかった極東の後進国の人がそんなことをやってしまうなんて、まさに天才です。

いま1つ重要なことがあります。渋沢はフランスであるものの重要性に気付きました。地味ですが「複式簿記」です。それまでの日本は単式の「大福帳」使っていたので、資産が増えているのか減っているのか、よくわかりません。