「家族と一緒だと小説が書けない」
「健全な家族でないといけない感が気持ち悪い」
「でも最後の砦として家族に頼ってもいるかも」

前回、なかなか正直で超身勝手な記事を書いてくれた海猫沢めろんさん。
ヤングマガジンにて連載中の漫画『キッズファイヤー・ドットコム』の原作小説刊行の際に現代ビジネスに寄稿した記事を見るにつけても、「そう言いながらもいいパパやってるじゃん」と思うのだが……。

一体、めろんさんはいいパパなのか否か。それを考察するにあたり、離婚したばかりというめろんさんの友人女性の話から、「離婚された最低男の罪」の実例を見てみよう。

海猫沢めろんさん連載「パパいや、めろん」今までの記事はこちら

「ウチの元夫のこと書いてください」

夏休みに関西に帰り、何年かぶりにサラリーマン時代の同僚女性に連絡をしたら、最近離婚をしてコンビニでバイトをしながら実家で子供を育てているという。
ちょうど育児関係のエッセイを書いているという話をすると、
「ウチの元夫のこと書いてくださいよー」
と言われたので、詳しく聞いてみたのだが、これがかなり身につまされる話だったので今回は「離婚」について書いてみたい。

マッチングアプリで知り合って結婚

彼女が結婚したのは7年前。30歳のときだ。無職でヒマだった時期にはじめたマッチングアプリで知り合って仲良くなったらしい。夫はインドア派でとくに趣味もなく、遊び人でもなく、熱中している趣味もなく、基本的には優しくて、「さらっとしてる人」だったという。仕事は中古車の営業マン。とくに悪い印象もなかったので付き合い始めて、その年に授かり婚。

そして7年で離婚するわけだが……それまでに4つの大きなきっかけがあったという。
まずは子供が生まれたときのエピソード。

その1)無関心

最初の病院での出産のとき、彼女が陣痛で苦しんでいるにも関わらず「俺やることないよね」と言って帰り、生まれてから数時間後にふらっと来てまた帰っていった。退院して彼女が自宅へ帰るときにも、「その日は忙しいからタクシーにのって自分で帰ってきて」と言って放置された。

もちろん彼女はキレたが、あまりわかっていないようだったという。
「赤ちゃんを育てるより、夫をいまから父親に育てるほうが大変……って絶望しました」
でた「夫を父親にするのが大変」この台詞……世の奥様方からよく聞く話であり、「パパいや」な、ぼくも他人事ではない。

その2)自己中

子供が2歳くらいになったときのことだ。
ある日曜日、妻は節約のためにお弁当を作って子供を連れて公園にピクニックに行こうとしていたが、その日になって夫が、「俺、今日演劇見に行くわ」と、ひとりで演劇を見に行ってしまった

残された彼女は公園でひとり、子供を遊ばせて弁当を食べながら泣いた。
「このときは悲しくてもうなにも言う気が起きませんでしたよ。でもまだ離婚までは考えてなかったかな」
子供が3歳くらいになれば、夫も父親の自覚がでてくるだろうと楽観視していたという。
そして……

節約しても家族で楽しみたい。そう思ってこういう公園のピクニックをイメージしたのだが…Photo by iStock