舛添要一×適菜収「れいわ新選組とN国が『大躍進』した本当の理由」

ヒトラーは現在日本で甦るのか
舛添 要一, 適菜 収 プロフィール

シングル・イシューと既得権攻撃

舛添 次に政党要件を揃えないといけません。国会議員5人以上いればいいんだけども、それ以下だと、直近の選挙で一定のパーセンテージとらないといけません。両党はそれをクリアした。

それは、大衆からの支持あってのものだと思います。では、その手法をつぶさに分析する際、どうしてもナチス党の選挙運動と比較したくなります。誤解してほしくないですが、れいわやN国に、ユダヤ人迫害を連想させるような差別意識があるというわけでは決してありません。あくまで手法に関しての分析です。

N国のやり方は、シングル・イシュー・ポリティクスに尽きると思います。つまり、単一相対主義です。NHKをぶっ潰す――。このスローガンにすべての政治的主張を集約しました。ヒトラーは、政権奪取前、「ベルサイユ条約をぶっ壊す」というスローガンで、国民の支持を得ていきました。あえて主張を減らし、しかしそれを繰り返すことで、効果的な選挙戦を展開しました。

適菜 N国の手法は、ヒトラーと同じ既得権攻撃です。わかりやすい敵をつくり出して攻撃し、社会にたまっている鬱憤やルサンチマンを集約していく。「NHKをぶっ壊す!」というフレーズも、20年近く前の小泉純一郎の「自民党をぶっ壊す!」の二番煎じです。既得権を叩くことにより、新しい利権を狙う。あの手の連中が繰り返していることは同じです。

 

舛添 ヒトラーは、そうした手法を『わが闘争』のなかで、「大衆の受容能力は非常に限られており(中略)効果的な宣伝は、重点をうんと制限して、そしてこれをスローガンのように利用」することだと断言しています。

参院選では、そうした手法が現代でも、そして日本でも有効だということが改めて証明されました。立憲民主党や国民民主党のスローガンより、よっぽど人びとの印象に残ったに違いありません。その後、丸山穂高ですとか、渡辺喜美までリクルートされてしまったことには驚きましたが。

適菜 渡辺喜美の行動原理はカネの匂いがするところに近寄るだけ。あれはあれでわかりやすい。

舛添 なるほど。次にれいわです。山本太郎は、私は左のポピュリストだと思っています。

彼らの主張をざっと並べてみましょう。最低賃金1500円、奨学金返済免除、消費税廃止、所得税や法人税の累進課税、財政出動、野宿者支援・・・・・・。こうした主張に通底するメッセージは明確です。国民を飢えさせない。ヒトラーが初期に言っていた条件に非常に似ています。