舛添要一×適菜収「れいわ新選組とN国が『大躍進』した本当の理由」

ヒトラーは現在日本で甦るのか
舛添 要一, 適菜 収 プロフィール

孤独な群衆

舛添 かつてアメリカの社会学者デイヴィッド・リースマンが「孤独な群衆」という言葉を使いましたが、孤独な群衆の「結局さみしい」「誰かと一緒になりたい」という心情に、独裁者の言葉は響くのだと思います。

では現代に「孤独な群衆」はいないのか。否、ここにきて急激に増えているのではないか、というのが私の見立てです。

トランプ大統領誕生にも、そうした人びとが熱狂的に支持したという背景があります。アメリカのさびついた工業地帯(ラストベルト)は、もともとキリスト教の信仰が非常に厚くて、コミュニティもしっかりしているところでした。しかし、石炭産業が廃れ、自動車産業をはじめとするメーカーがいなくなって、白人の失業者が増えていった。飯も食えない人びとは、不満を滾らせ、ドラッグに染まっていきます。

トランプとヒトラーに共通点あり〔photo〕gettyimages

そんなコミュニティが崩壊した状況下に、トランプが現れた。「あなたたちが苦労しているのは、あなたたちのせいではない。移民が増え、中国から安い製品が来るからだ」といったセリフを連呼し、熱狂を生んでいきました。ヒトラーが、経済恐慌の原因を、ベルサイユ条約を押しつけた連合国や、ユダヤ人に求めたのと相似します。

適菜 今の話にひと言付け加えると、大衆=労働者や貧困層ではないということです。庶民という曖昧な概念とも違います。私が「大衆」という言葉を使うと、「適菜は上から目線」「大衆を差別するのか」と言われたりもしますが、まったく逆なんです。階層社会の消滅により、「上から目線」が成立しなくなったのが近代です。

 

N国はなぜ成功したか

舛添 そうですね。そうした大衆を、いかに政治に目を向けさせるか。平成以降の政治のテーマは、そのひと言に尽きると思います。アメリカだけでなく、日本もそうです。

先日の参議院選挙では、「NHKから国民を守る党」(N国)とれいわ新選組(れいわ)の躍進が注目されました。国会議員をやっていた立場から見ると、よく議席とったなぁと感心せざるをえない部分があります。

私も自民党を出て「新党改革」という新しい党をつくったことがあります。参議院で1議席とるために、100万票要るんですよ。実際にやってみるとわかるんですけども、その100万票取るのがいかに大変か。