国土交通省によると、わが国の2018年末現在のマンションストックは654.7万戸で、ひところほどではないにしても、現在も全国で年間10万戸近く増え続けている。
市場に出てくる中古マンションも増えて、東日本不動産流通機構によると、2018年度の首都圏における在庫件数は4万7784戸で、年間の成約件数は3万7601戸に達している。
不動産経済研究所の調べでは、18年度の首都圏新築マンションの発売戸数は3万6641戸だったので、いまや新築マンションより中古マンションのほうが流通戸数は多いことになる。
マンションストックが増えて、年々竣工後の築年数が長い物件が増えているが、一部のヴィンテージマンションを除いて、建築後の経過年数が長くなるほど売却は難しくなる。特に竣工後20年を過ぎると格段に相場価格が下がり、売却するにしてもリフォームなどの売却費用が膨らんでしまう。
したがって、20年超の売却は不利になるので、新築マンション取得時には20年以内に買換えなどで売却するのか、20年後も住み続けて永住するのか、明確なライフプランを描いておくのが得策だ。
また、中古マンションを購入するという観点からみれば、多少価格は高くても、最新の新築マンション並みの基本性能を有する築浅物件を取得するか、反対に思い切って築深の物件を新築の半値以下で取得して、自分たちなりにリフォームして住むといった選択も考えられる。
これからのマンションの売却や取得は、こうした明確なライフプランを思い描いた上で実行しないと、後悔することになりかねないのだ。