シングルマザーの司法修習生でスタート

司法試験は合格後、1年間の司法修習を経て、法曹資格が得られる。シングルマザーとしての修習は、東京都内の希望が通った。 

ママ修習生は珍しいものの、全国各地に自分らしくキャリアと育児を両立するたくさんのママ友がいた。彼女らと交流をしながら充実した司法修習を無事終え、いよいよ弁護士登録をした。    

元夫はその後、別の女性と再婚したらしい。古賀さんも、同業者の彼と交際し、新しい家族を築いていく。しかし、古賀さんの再婚は、法律婚ではない形だという。3人の子どものうち、下の2人はそのパートナーとの子どもだ。

「今度のパートナーは、本当の意味でのジェンダーフリー論者。あえて法律婚を選択する理由がないという考えが合致しています。連れ子が元夫と面会交流をすることについても協力的で、父親に成り替わろうという発想も全くありません。ですが、身近にいる大人として、遠慮なく連れ子を大切にしてくれる存在です。おかげで、元夫との子どもは、今も父親を慕いつつ、新しい家族でものびのびすごしています」

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 3人の姓が異なる理由 

実は3人の子どもは、それぞれ苗字が違う。11歳の第一子は、元夫の苗字で「長谷川(仮名)」。4歳と3歳の子は、それぞれ、父と母の苗字。下の2人は出生時点では2人とも古賀姓だったが、今のパートナーの子であり認知もされていることから、「父子関係がある」「共同養育の実態がある」と裁判所に申し立て、氏の変更が認められた。ひとりは母の姓、ひとりは父の姓にした。

「ちなみに母子同姓の子の親権者は、父親親権にしてあります(笑)」 

要するに、大人2人と子ども3人が、戸籍か、親権かのどれかでつながりながら5人家族を形成しているということだ。2:2:1の別姓家族は、自然にたどり着いた形だ。法律を熟知するから、苗字や戸籍の本来の意味を理解し、それぞれの子の経緯に応じて、シンプルに選んでいる――さすが、弁護士同士の最先端家族だ。 古賀さんが最初の結婚で目指そうとして挫折した新しい家族のかたちは、2回目の結婚でこのように完成しつつある。

え、なんできょうだいで苗字が違うの? 事実婚って、どうよ? ステップファミリーってむずかしくない? 世間はあれこれ思うのだろうが、古賀さんははっきりといまこの状態で幸せだ、と言い切る。

「幸いにも、法律婚をしようと思えばいつでもできます。自分たちらしい心地よい家族の形をカスタマイズできる今の形がベストなんです。逆に、なんでみんな法律婚するの、と思うわけですよ。実際、法律婚をしてしまったばかりに苦しんでいる人の後始末がいまの私の仕事のメインですからね(笑)」