アメリカのハンバーガーはデカい。ステーキも、ジュースも、色々デカい。そんなアメリカに住む「バッタ」も、アメリカサイズに決まっていますよね?
講談社の動く図鑑「MOVE」の公式サイト「WebMOVE」からの出張連載。モンスターハンター・平坂寛、今回は「デカすぎる」バッタと戦ってきました!
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カラフルでデカいバッタたち
アメリカのフロリダは1年を通してあたたかく、海も陸もとても自然が豊かな場所だ。気候も、そこに暮らす生物も、日本でいえば沖縄に似ている。
夏になると日差しが強すぎて、ちょっと外を歩くだけでクラクラするほど。そんな真夏のフロリダでは「あれ? 暑すぎて頭がヘンになったかな?」と思ってしまうような光景があちこちで見られる。
赤や黄色、オレンジ色というド派手なカラーリングのバッタたちがあちこちにうじゃうじゃうごめいているのだ。

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しかもこのバッタ、色が派手なだけではなくサイズも大きい!
体長はトノサマバッタほどだが、とてもボリュームのある体型で、ムキムキマッチョなプロレスラーのような迫力がある。そんなのが草むらや木の上、あるいは道路にワラワラといるのだから目立って目立ってしょうがない。悪い夢のような光景だ。
跳ばないし、飛ばない!
このバッタはアメリカでは「ラバーグラスホッパー」という名前で呼ばれている。そのまま日本語にすると「のろまバッタ」という意味になる。か、カッコ悪い……。
ひどい名前をつけられたもんだなぁと思うだろうが、その動きを見ればきっと納得するはず。こいつらホントにのろま! バッタなのに飛ばない! 跳ばない!

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というか、翅がないので飛べない。ジャンプするためのうしろ脚も短く、跳んでも距離が短い。
「えっ……、だいじょうぶ?」と心配になってしまうくらいのどんくささ。
人が近づいても逃げない。自動車がそばを通っても逃げない。そのため、道路には車にひかれたラバーグラスホッパーたちがゴロゴロしている……。
オイオイオイ、そんなんじゃ鳥たちに食べられ放題なんじゃないか? 絶滅しちゃわないか? ただでさえカラフルで目立つのに。
でも、そのわりにはあちこちにものすごい数がいるし、このバッタを食べている鳥の姿も見あたらない。