豚コレラ感染拡大…ワクチン接種を遅らせた「有力養豚県の猛反発」

なぜ対応が後手に回ったのか
松岡 久蔵 プロフィール

日本にも「アフリカ豚コレラ」が来る

さらにこの記者は、朝鮮半島でのASF感染拡大についてもこう解説する。

「韓国では軍も出動しての大規模な消毒作業が始まっていますが、すでに潜在的な被害が非常に大きくなっているとみられます。農水省によると、豚、いのししの飼育頭数は北朝鮮が約260万頭なのに対し、韓国は日本と同規模の約1127万頭と約5倍。文在寅政権の親北姿勢もあり、韓国統一省はASFの感染拡大を防ぐため南北で協議すると表明していますが、北朝鮮と協力したところで、食い止めに実効性があるかは未知数です。

ASFは、中国から北朝鮮、韓国と陸伝いで感染拡大したとみられますが、北朝鮮では平壌以外は基本的に食糧難が続いているため、豚肉を日常的に食べられるのは比較的裕福な層に限られます。

海外メディアによれば、北朝鮮当局は中国との国境地域の住民に、感染拡大防止を理由として移動禁止令を下したとされていますが、実はこれが、金正恩主席をはじめロイヤルファミリーや彼らに近い有力者層専用の牧場を守るためだったのではないか、と庶民の不満を買っているようです」

 

日本にASFが渡ってくるのも時間の問題かもしれない。すでに、アジアの観光客が持ち込んだ食品からASFのウイルス遺伝子が発見される事例が相次いでおり、水際対策の徹底が必須の状況となっている。

豚コレラを抑え込めず感染が拡大した責任を、前任の農林水産相だった吉川貴盛衆議院議員や農水省が問われることは避けられないだろう。加えてASFの侵入を許したとなれば、農家などの地方票離れが進む安倍政権への打撃にもなる。農水省の今後の対応に注目が集まっている。

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