「やってる振り」の外務省 知ってはいけない日本の不都合な真実

やはり大失敗に終わった北方領土交渉
矢部 宏治 プロフィール

ロシアには「電話で文句みたいなことを言い」、北朝鮮には「北京にある北朝鮮大使館へFAXで抗議する」日本の外務省

日本外交とは何か。その本質は、昨年10月10日、ロシア外務省がホームページに掲載した次のコメントによくあらわれている。

「モスクワの日本大使館の若い外交官が、ときどき電話で文句みたいなことを言ってくることがある。するとそのあと必ず、日本の政府高官が『ロシアに正式に抗議した』と発表するのだ」(強調筆者)

「朝日新聞」によれば、これは同日、菅官房長官が北方領土周辺でロシアが計画している射撃訓練に対し、「外交ルートを通じて抗議した」と発表したことの実態を暴露したものだという。

しかし、外務省の現実を知る人間は誰も驚かなかった。すでに東京新聞の五味洋治・論説委員が明らかにしているように、北朝鮮の場合などはもっとひどいからだ。

「北朝鮮がミサイルを発射するたびに日本政府は、「北朝鮮に対し北京の外交ルートを通じて厳重に抗議した」と発表しますが、それは北京にある北朝鮮の大使館にFAXを送っているだけなのです」(笑)

この驚くべき事実を、政府への正式な質問主意書として問いただした逢坂誠二・立憲民主党衆議院議員に対し、菅官房長官名での回答は「今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えを差し控えたい」という、事実上の肯定というべき内容のものだった。

つまり一言でいうと、現在の外務省は対ロシア外交や対北朝鮮外交について、「何かやってる振り」を延々と続けているということなのだ。