〔PHOTO〕The Alaska Landmine

アメリカで話題「空飛ぶスパゲッティ・モンスター教」とは一体何か

「アーメン」ではなく「ラーメン」

米国は、日本と同様、政教分離を原則とするが、そのあり方は日本とは大きく異なる。

連邦議会の開催時、最初に聖職者の主導で祈り、それに続いて国旗への忠誠の誓いが行われる。政治という公の場に、祈りという宗教実践が組み込まれている。日本ではなかなか考えられない状況だ。

会議冒頭の祈りは、連邦議会に限らず、地方でも習慣化している。そして、最近話題になっているのが、今月18日、アラスカ州のキナイペニンシュラ郡会議での出来事だ。

動画を見てもらえばわかるが、登場するのはパスタの湯切りボウルをかぶった男性だ。そして、彼が祈りを捧げたのは「酔っ払った真の宇宙の創造主(the true inebriated creator of the universe)」である。

祈りの最後には「アーメン」ではなく、「ラーメン」と言っている。いったいどうしたのだろうか。

 

空飛ぶスパゲッティ・モンスター教とは何か

この男性は空飛ぶスパゲッティ・モンスター教の信者(パスタファリアンと呼ばれる)である。

この宗教の教えでは、 世界は空飛ぶスパゲッティ・モンスターが大酒を飲んだあとに創造された。天国に行けばストリッパー工場とビール火山があり、毎週金曜日が祭日だという。フェイスブックには日本支部のページもあるが、新しいカルト教団か何かだろうか。実はまったく違う。

空飛ぶスパゲッティ・モンスター教(Flying Spaghetti Monsterism、以下FSM)は2000年代に作られた。

創設者ボビー・ヘンダーソンはオレゴン州立大学で物理学を学んだ人物だ。ヘンダーソンがFSMを立ち上げたきっかけは、2005年、オレゴン州教育委員会が公立学校で進化論と並行してインテリジェント・デザイン説(ID説)を教えようとする動きを見せ始めたことである。