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LGBT(性的マイノリティ)の知られざる「老後2000万円問題」

性的マイノリティにも高齢期がある
永易 至文 プロフィール

セーファーセックスも節約術

資産寿命を延ばせと言われても、お金を増やすには、「収入を増やす」「支出を減らす」「お金自身に増えてもらう」の3つしかありません。収入が増えないなら、無駄な使い方や非合理な支出を減らすという点で、まずは毎度おなじみ、保険の検討があがります。

性的マイノリティは基本、子どもなし。パートナーもたいてい共稼ぎ。自分が死んでだれもお金に困らないなら、そもそも生命保険は不要でしょう。また、医療保険も、加入義務である公的健康保険で、10万円あれば手術も入院もできると覚悟すれば(高額療養費制度)、あえて入る必要はないかもしれません。

むしろ、病気をしない(痩せる、節酒、禁煙)、早期発見・早期治療(健診には行く)です。保険料は、その分を貯蓄に回しましょう。私はゲイ当事者には、よけいな病気をもらわないという点でセーファーセックスも節約術だと説いています(HIV陽性の方も、それ以上、病気をもらわない)。

 

老後のお金は貯金とともに、年金制度をきちんと知ること。年金だけでは暮らせませんが(これ前提)、年金は死ぬまでもらえる国営の終身保険。こんな有利な金融商品は民間にはありません。少しでももらえる額を増やせるよう、納付漏れしない、また場合によっては繰り下げ受給(70歳で42%増し)など、制度を正確に理解しましょう。

上乗せを検討するなら、民間の保険商品ではなく、国民年金基金(自営業の人)や確定拠出年金(イデコ)など、節税効果のあるものがお勧めです。

今回の講座では身近なお金や制度を理解でき、普段以上にアンケートの記述が多かった

パープル・ハンズの講座では、「マネープラン」などの言葉から想像される富裕層向けの内容ではなく、中下層の収入を基準に、どう生き延びるかを、具体的なお金回しの情報とともに考えています。住宅も、性的マイノリティの場合、子育てもなく、1人か2人で住むことから、むしろ賃貸推奨派(災害や相続など持つリスクも考え)。

こう見ると、保険は入るな、家は買うな、投資はやめとけ、まずは貯金だ……あまりアベノミクスのお役に立ちませんが、もちろん余裕のあるかたはこれをベースにさまざまな金融商品の上乗せを考えていただければと思います。