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LGBT(性的マイノリティ)の知られざる「老後2000万円問題」

性的マイノリティにも高齢期がある
永易 至文 プロフィール

万人共通の課題

とはいえ、老後は現役時代よりは収入が減るのは確かです。そもそもお金が足りないならどうするか。これはセクシュアリティにかかわりない、万人共通の課題でしょう。

65歳から30年、遊び続けるのは「胆力」がいります。お金が不安なら、現役中のようにフルとはいきませんが、75歳ぐらいまでなにかしら仕事を続けませんか?

老後になっても働くのかぁ、と考えれば気が滅入りますが、収入補填はともかく、社会参加、健康維持にボケ防止です。私の知人の父上は、死ぬ直前まで働いて、入院3週間で亡くなったそうですが、介護不要・ボケ無しのピンピンコロリ。これを、彼は死ぬまで働き続けた人生だった、と哀れみますか?

 

いま、実年齢は8掛け。70歳でも実態は50代なかば。75歳でようやく定年の60歳と考えてよさそうです。すごい老人に見えるサザエ一家の波平は、55歳が定年の当時、まだサラリーマンをしています。50代前半という設定(え、いまの私と同年?)。これも実年齢のイメージギャップの一例でしょう。

そのうえで、「老後」がいつからかは人それぞれですが、出発点をできるだけ高くしておくことは大切です。その点で報告書は間違ってはいません。でも、投資ではなく、まず貯金をしましょう(そもそもこの報告書は、投資推奨のアベノミクス応援歌という側面もあります)。

貯金がない、貯金ができないーー相談でもそんなお声をよく聞きます。月々の収入を好きに使い、残りを貯金しよう、では無理でしょう。はじめにお金を取り除けて、そのお金ははじめからなかったと思うことです。

40歳・貯金ゼロというかたも、給料から毎月3万円、ボーナス2回で7万円ずつ、年50万円の貯金を、会社の財形積立や振込先銀行での定期積立で強制的に積み立てます。60歳まで20年続ければ、1千万円(+利子)になるではないですか。年金とべつに1千万円の貯金があれば、ずいぶん心強いでしょう。

年50万円が難しいかたも、これは収入の1割を貯金しようという趣旨です。10年続ければ年収分が貯金できます。貯金1割、税金1割、社会保険(年金、健保)1割、残りの7割で生活と楽しむことを考えましょう。

その前提として、自分は月いくらあれば暮らせるか、把握していますか?