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LGBT(性的マイノリティ)の知られざる「老後2000万円問題」

性的マイノリティにも高齢期がある
永易 至文 プロフィール

セクシャルマイノリティの「お金問題」

パープル・ハンズでは、まず法律や制度、お金についての合理的な知識をしっかり知ろうという趣旨で、講座など「学びの場」活動を柱の一つにしています。

その基幹講座が「セクマイ×老後 あんしん講座」。2010年に前身である「同性愛者のためのライフプランニング研究会」をスタート、2015年からは一般財団法人ゆうちょ財団さんの金融相談等活動助成をいただいて、もう今年で5年目です。

今回は、「セクマイのための」と称してお話している、お金講座の概要をご紹介しましょう。

 

今年の7月に開催された講座では、老後のお金と住まいがテーマだっただけに、さっそくこの報告書から考えてみました。

この報告書では、65歳の夫と60歳の専業主婦で、収入が年金など20.9万円、実支出が26.4万円。差額5.5万円を30年積み重ねると約2000万円足りないから、現役時代から投資などで「資産寿命」を延ばす心構えを持て、と国民に呼びかけました。

この収支額は、総務省統計局の家計調査(平成29年)から「高齢夫婦無職世帯」(参照はリンク先の27ページから)の数字を使っています。

しかし、毎月5.5万が不足するなら、なぜ働かないのでしょう。2人がもう働きにも出ず、年金だけで30年、顔を見合わせながら暮らすというのです。私なら3日でウンザリ(笑)。しかも、支出額は60歳のときも80歳のときも変わらない。人間80にもなれば、ものも食わない、服も買わない、ということはないけれど(笑)、支出のスタイルもずいぶん変わってくるはずです。

これはあくまで平均値であり、人それぞれ収入額も支出も千差万別、「平均値」で暮らす人はどこにもいません。この報告書、もう少していねいに考える必要がありそうです。