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ファーウェイ新型スマホで明らかになった「脱アメリカ戦略」の本気度

アメリカ追従の日本は生き残れるのか

米中ハイテク覇権戦争

先日、近未来のアメリカと中国の「ハイテクのカーテン」(米中分断)を予測するような発表があった。米中を代表するスマートフォンの秋の新作発表会である。

先に動いたのは、アメリカ側だった。9月10日、米カリフォルニア州クパチーノにあるアップル本社で、ティム・クックCEOが、iPhoneのニューモデル「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」「11 Pro Max」を発表した。2007年1月に、創業者の故スティーブ・ジョブス氏がiPhoneを世に問うてから、11代目のお披露目である。

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クックCEOの説明によれば、最大のポイントは、1200万画素の3眼カメラを搭載したこと。「広角レンズ(F1.8)+望遠レンズ(F2.0)+超広角レンズ(F2.4)」によって、最大60fpsの4K動画も撮影できるという。後述するように、カメラ機能はいまやスマホの「生命線」である。

これらは日本でも、9月20日から発売になった。「iPhone11」は税別で8万5536円から、「iPhone 11 Pro」は同12万4416円から、「11 Pro Max」は同13万6080円からだ(NTTドコモのHPより)。

一方、ライバルのファーウェイ・テクノロジーズ(華為技術)はアップルに遅れること9日、9月19日に、ドイツ南部の都市ミュンヘンで、新型スマートフォン「Mate 30 Pro」と、その弟分にあたる「Mate 30」の発表会を行った。

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今回、新型スマホを、本社がある中国広東省深圳ではなく、ミュンヘンで発表したところに、ファーウェイの戦略が窺える。

中国市場は今年、スマホの総出荷量の過半数を超えるという予測が出るほど、ファーウェイの寡占化が進みつつある。調査会社IDCの発表によれば、直近の2019年第2四半期(4月~6月)の中国市場は、ファーウェイがダントツの1位で、前年同期比27%増の3630万台を出荷し、市場占有率は37.0%に達した。

以下、vivo18.7%、OPPO18.6%、シャオミ(小米)11.9%と中国勢が続き、アップルは5位の6.7%と、大きく後退している。

 

逆にアメリカ市場からは、ファーウェイは事実上、締め出された格好だ。そんな中で、「3つ目の巨大市場」であるEUこそが、アメリカとの雌雄を決する「主戦場」になると、ファーウェイは見込んでいるのである。だからこそ、EU最大の市場であるドイツに乗り込んだというわけだ。

私もいまからちょうど3年前、ミュンヘンにあるファーウェイの旗艦店を訪れたが、すでに当時でさえ、スマホ売り場だけでなく、パソコン売り場も、ものすごい賑わいを見せていた。