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韓国・文在寅政権の「失敗」を、なぜか日本が「マネ」しかねないワケ

最低賃金引き上げの功と罪
中原 圭介 プロフィール

これ以上、格差を広げるのか

今のグローバル経済下では、すべての対象に恩恵をもたらす薔薇色の政策は存在しません。

日本は最低賃金をどういう位置づけにしたいのでしょうか。最低賃金の過度な引き上げでどの層が恩恵を受け、どの層が負担を強いられるのか、冷静に見極めなければなりません。何が良い点か、何が悪い点か、差し引きでプラスかマイナスなのか、という考え方が欠かせないというわけです。

 

過去5年間での最低賃金の引き上げ率は15.5%にも達したので、最低賃金に近い水準の時給の人々が増えてきています。2008年度はわずか2%だった影響率(低賃金の改定後にその賃金水準を下回った労働者の割合)は、2016年度には10%を超えて、2018年度には13.8%まで上がってきています。

県別では神奈川県などは25%に達しているのです。全国平均で900円を超えてくると影響率の上昇が加速度的に高まってくるので、これからの雇用への悪影響は決して軽視できるものではありません。

日本は国民の生活水準はアメリカやイギリス、イタリアに比べて安定しているので、本来、ポピュリズムが伸長する地合いではありません。これらの国々は日本より生産性が高いということになっていますが、政治の混乱や国民の疲弊を見ていると、「生産性至上主義が本当に正しいのか」と多くの識者に問いたくなります。

生産性という数字だけに縛られることなく、バランス感覚を持ちながら社会システム全体として考えてもらいたい、そう願っている次第です。