# 日本経済 # 韓国 # 賃金

韓国・文在寅政権の「失敗」を、なぜか日本が「マネ」しかねないワケ

最低賃金引き上げの功と罪
中原 圭介 プロフィール

韓国と同じ轍を踏む日本

最低賃金の大幅引き上げの典型的な失敗例は、韓国の文在寅政権による所得主導の経済策です。

最低賃金を2017年に16.4%、2018年に10.9%と大幅に引き上げた結果、中小零細企業の倒産・廃業やリストラが相次いで、若年層(15歳~29歳)の失業率が大いに高まってしまったのです。

〔photo〕gettyimages

足元の2019年8月の若年層の失業率は7.2%、青年体感失業率(就職浪人あるいは望む仕事に就けず非正規雇用などに甘んじている青年層の割合)は21.8%と、未だに高止まりの水準にあるといえます。

それに加えて、解雇される対象として多いのは、非正規雇用で低スキルの人々です。経済的に弱い人々にしわ寄せが及ぶということは、左派政権が目指したものとはまったく逆の格差拡大をもたらしてしまっているのです。

 

生産性の数字は向上したというものの、雇用が若年層を中心に悪化したこともあり、2019年の最低賃金の引き上げ率は2.9%にまで圧縮されています。韓国での失敗の事例は、経営の現場の教科書どおりの動きとなっているというわけです。

このように安直な発想で最低賃金を大幅に引き上げようとするのは、ポピュリズムによくある考え方です。

政治がポピュリズムに傾いてくると、国民が何も負担せずに恩恵だけを享受できると喧伝しがちになります。アメリカのサンダース上院議員を筆頭に、民主党の有力大統領候補はそろって、連邦政府の最低賃金を2倍以上に引き上げる政策を支持しています。7月の参議院選挙では、立憲民主党が「5年以内に全国一律で最低賃金を1300円に引き上げる」、共産党が「すみやかに1500円を目指す」という公約を掲げていました。