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韓国・文在寅政権の「失敗」を、なぜか日本が「マネ」しかねないワケ

最低賃金引き上げの功と罪

日韓対立が激化する中、いま一部の有識者のあいだで日本経済が「韓国経済の失敗」を繰り返しかねないと指摘され始めていることをご存じだろうか。10月から日本全国で最低賃金の改定額が発効されるのだが、じつは先んじて文在寅政権が最低賃金引上げ政策を実施した韓国ではその副作用が発生。むしろ中小零細企業の倒産・廃業やリストラが相次ぎ、若年層の失業率が高まる事態に頭を抱えているのだ。日本は韓国・文在寅政権の「失敗」を後追いしてしまうのか――。経営アナリストの中原圭介氏が最低賃金をめぐる日韓情勢を最新レポートする。

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「最低賃金引き上げ」の真実

各都道府県では10月から、2019年度の最低賃金の改定額が発効されます。

最低賃金を引き上げ続けると生産性が上がるという呪文のような言説が日本でも広がってきている昨今、実は最低賃金の引き上げのペースが上がったことで、日本の生産性が逆に下がっているという現実をご存知でしょうか。

 

日本の企業全体の99%を占める中小零細企業は、アルバイトやパートで成り立っている業種が多いのですが、最低賃金の引き上げペースが近年上がっていることから人手不足が深刻化し、かえって中小企業の生産性がいっそう低下するという現象が起きています。

これはどういうことなのかというと、最低賃金に近い水準で働いている人々は小売店・飲食店など労働集約的なサービス業が多いのですが、そこでアルバイトやパートで主力を担っているのは女性であるからです。

小売店・飲食店などでアルバイトやパートで働く人々は、多くの場合でその時給が最低賃金と連動しています。最低賃金が過去4年間(2015年度~2018年度)で12%引き上げられたのを受けて、アルバイトやパートの時給も10%超の上昇をしてきました。

ところが、この間のアルバイト・パート全体の所得総額の伸びは2%にも達していないのです。これは最低賃金が上がり新たにアルバイトやパートで働く人々は増えた一方で、1人あたりの労働時間が大きく減ってしまったからなのです。