こんなに笑えるのに
なんでこんなに切ないんだろう
年齢を重ねるにつれて、人間の愚かさを演じるのが楽しくなってきているのだそうだ。この映画についても、「こんなに笑えるのに、なんでこんなに切ないんだろうって思います。人生は、近くで見ると悲劇だけれど、遠くから見ると喜劇なんて話を聞いたことがありますが、海馬さんのお父さんが亡くなった場面なんか、まさに悲劇と喜劇が混ざり合っていて、すごく笑えて、でも心で泣きました」と話す。
「コメディは、出るのも見るのもすごく好きです。坂井真紀さんや秋山菜津子さんのようなコメディセンスは素晴らしいですよね。この映画の中では、男性のみならず、女性は女性で、それぞれにもがいている。人間の情けなさ、遣る瀬無さ、切なさが集約されていて、その姿が、観ていてすごく愛おしいんです。
といいつつ、私、この映画のジャンルはコメディと一括りじゃないような気がするんですよ。それで、松尾さんに、『なんていうジャンルですか?』と聞いてみたら、『それを答えられるなら、僕はこの仕事をしていません』っておっしゃって。カッコいいなと思いました。本当にオリジナルの、“松尾スズキ”というジャンルになっているのかなって」
「この作品の一部になれて嬉しい」
中山さんは、最後に、とびきりの笑顔でそういった。
Information
1988年、「大人計画」を旗揚げし、2018年には劇団とともに松尾スズキとして活動を始めて30周年を迎えた。そんな鬼才・松尾スズキの最新作は、愛する妻がSNSに他の男への恋心を書き込んでいることを知り、資産1000万円をかけ、いいねの数だけ女を抱くという復讐計画を思いつく脚本家・海馬五郎の物語。長編4作目にして松尾が初めて監督・脚本・主演の全てに挑んだ。押し寄せる締め切り、家族の病気、55歳という年齢からくる体力と精神力の限界。のたうち回る主人公。映画監督で喜劇俳優でもある松尾スズキの到達点! 松尾スズキ自ら書き上げた同名小説『108(イチマルハチ)』と合わせて松尾ワールド炸裂。
「FRaU×mi-mollet女性読者限定」
特別試写会開催決定!
10月17日(木)18:00開場/18:30開映
場所:神楽座(千代田区富士見2丁目13-12
※上映後にトークイベントが行われます。
抽選でFRaU読者の方27組54名(mi-mollet読者の方と合わせて合計108名!)の方をご招待します! 詳細と申し込みはこちらから。 →https://jn.kds.jp/frau/8041/
応募締め切り:2019年10月4日(金)23:59