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# プライシング

たった2%の課金ユーザーがいれば儲けられる「ソシャゲ」の戦略

「フリーミアム」モデルの代表格
利益の95%は「価格戦略」で決まる! そう説くのは、著書『「値づけ」の思考法』で知られるマーケティング学の大家で、法政大学教授の小川孔輔氏だ。近年、過熱しているスマートフォン向けのソーシャルゲーム市場。その多くは無料で遊ぶことができるが、一体どのように利益を生んでいるのか。小川氏にそのカラクリを徹底解説してもらった。

「課金ユーザー」は2~5%

テレビゲームに始まり、SONYのプレイステーションや任天堂のDSなどが、これまでの日本のゲーム市場を牽引してきました。

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しかし、近年では、ハード機とゲームソフトを買わなくても、スマホや携帯電話、パソコンがあれば、インターネット上でゲームをプレイすることができるようになりました。

しかも、課金なしの無料です。無料なのに、年々その市場規模が拡大しているソーシャルゲームは一体、どうやって儲けているのでしょうか?

トライアル(お試しプレイ)は無料(フリー)で、上級バージョンは課金する(プレミアム)というしくみについて考えてみましょう。

スマホや携帯電話で手軽に遊べるソーシャルゲームの人気は、無料で遊べることが理由の1つです。

 

ソーシャルゲームの多くは、「フリーミアム」といわれるビジネスモデルで利益を得ています。フリーミアムとは、基本サービスを無料提供すること(フリー)でユーザーを獲得し、上位レベルのサービスを求める人には有料(プレミアム課金)でサービスを提供するシステムです。

フリーミアムの収益の源泉は、フリーで集客した人の一部(全体の数パーセント)からプレミアム課金をすることです。

基本的には誰でも無料でソーシャルゲームをプレイできますが、ゲームをより楽しむためには、武器・薬・洋服などのアイテムがほしくなります。ほんの一握りのヘビーなユーザーにそれらプレミアムアイテムを販売することで、ビジネスは成り立っています。このしくみは「アイテム課金制」とも呼ばれています。

「2:8(にはち)の法則」(「パレートの法則」とも呼ばれます)として「パレート分布」が知られています。

全体の20%の顧客が売上の80%を占めている現象のことを指していますが、フリーミアムの世界の代表的なビジネスであるソーシャルゲームでは、もっと極端な比率、具体的には課金ユーザーの割合は全体の2~5%程度になっているともいわれています。