2019.10.01
# 倒産

販路も技術力もあった「有力企業」の倒産劇、「最大の原因」とは?

「強み」が裏目に出た
帝国データバンク情報部 プロフィール

「成功法則」が崩れるとき

売上は好調、同業間の価格競争にもぬかりなく対応し、これならば経営は安泰かといえば、そうではなかった。

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ビジネスでは、常に世の中の傾向、消費者のニーズに合致する道を探らなくてはならない。ひとたび世の中が変化すれば、従来の成功法則は、いとも簡単に崩れてしまうのだ。

マルチウの場合、従来の成功法則に深刻な影響をおよぼした要因は主に2つ。「少子化」と「デフレ不況」だ。

少子高齢化が叫ばれて久しい日本だが、マルチウの業績に如実に影響し始めたのは2011年の少し前からと見られる。

サンリオ、バンダイの人気キャラクターとなれば、当然、メインターゲットは子どもだが、少子化で全体のパイが縮小する中、競合製品に押され、売上は減少基調で推移していく。ピーク時は54億円を超えていた売上高は、2011年3月期には約27億1400万円と半減してしまった。

 

加えて、バブル崩壊後、「失われた20年」を経てからも一向に景気は回復せず、デフレが進行したことも同社の経営状況に深刻な影響をおよぼす。

デフレ進行を受け、小売業界全体で販売価格が低下した。消費者の間でも低価格志向が強まったが、だからといって、消費者が安いものしか買わなくなったわけではない。

とくに服飾品では、多少お金を出して「いいもの」を買う一方、「普段使いのもの」には安さを求めた。つまり「高価格」と「低価格」という商品の二極化が起こったのである。

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