クジラ、ウナギの次は「マグロ」が食べられなくなる可能性

すでに絶滅危惧種に指定されている
松岡 久蔵 プロフィール

「水産王国・日本」の虚像

筆者は2019年7月27日の記事「日本人が知らない『ウナギの闇』どうしてこんなに高くなったのか?」でも、高級食品だったウナギがスーパーや大手牛丼チェーンで安価に売られるようになって消費量が激増し、絶滅危惧種に指定された経緯を報じた。クロマグロについても、構図は全く同じである。

日本は来年に発表される最新の資源評価をもとに、クロマグロの漁獲枠増枠を改めてWCPFCの北小委で訴える方針だ。ただ、資源保護を強硬に訴える米政府や環境保護団体との交渉は、困難を極めることは間違いない。

 

これまで資源の保護を考えず食い散らかしてきただけに、いくら中小漁業者の生活がかかっているからといって、増枠を単純に主張しても国際的な理解は得られないだろう。ウナギよりも日常的に量販店で売られているクロマグロについては、食品ロスに対する意識をより強く持たねばならないことは言うまでもない。

かつて隆盛を極めた「水産王国・日本」が、実際は後先考えぬ「利潤追求と食欲」によって支えられてきたという事実を直視し、体質を改めなければ、日本のマグロ漁業はより厳しい状況におかれることとなるだろう。